
北海道の花育て【1月】ー 宿根草・草花のこと。雪積下での宿根草の冬越しについて
高林 初
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
曽根 浩太さん
岩見沢市にある「いわみざわ公園バラ園」勤務。工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理にあたる。
暖かかった3月と比べ、4月は風も強く寒い日も多くありましたね。ただ、雪解けも早くバラの芽出しも早かったので、寒い中でも慌てて庭仕事をしていた方も多かったのではないでしょうか。
芽出しが早ければ剪定や施肥はもちろん、移植を考えているバラがあれば早めに行ないたいものです。移植は株へのダメージが少ない、秋遅くに堀り上げし、寝かせて仮植えしておくか、春早くのどちらかで行なうとよいです。
基本的にはバラは一度植えたらあまり動かしたくないのですが、どうしても植え場所を変えたい場合が出てくることもあるでしょう。
春の移植は雪解け後すぐが望ましく、4月中には終えたいところですが、これから移植を考えている方は今回の記事を参考にしてみてください。
【 移植の手順 】
移植後は根が切られている状態なので水を吸い上げる力が弱くなっており、枝が多すぎると枯れてしまいます。ですので、大株のものであれば枝抜きをして、枝数を減らしてから掘り上げてください。通常の株は一般的な剪定で大丈夫です。
堀り上げた株は、2時間程度たっぷり水漬けをしてから定植しましょう。まれにしっかりと根が土をつかんでいる状態の株がありますが、そのときは根鉢を崩さないよう移植先まで運んで植え付けます。
1. 移植するバラは、あらかじめ枝の本数を減らす枝抜きや、剪定して切り詰めておきます。
2. 剪定後は軽く枝を束ねると扱いやすいです。株周り30cm程度離したところにスコップを入れます。
3. 堀り上げた株は水を張ったバケツなどの容器に入れ、2時間程度たっぷり水漬けします。その後、新しい植え場所に移植(植え込み)します。
移植した後は、水鉢をつくってたっぷり水を与えてから、周りの土を株元に寄せて盛ります。こうすることで水分が保たれ、根の活着がよくなります。すでに芽が出ている株はさらに寒冷紗などを巻き、風や強い日差しから移植株を守るとよりよいでしょう。株元に盛った土は2週間ほどそのままにし、最後は花壇内に均して終了となります。
4. 株を植えたら、鉢水をします。土手をつくって中に水を優しく流し入れます。たっぷり2回くらい水を与えましょう。
5. 盛り土は移植の重要ポイント! 土手にした土などを中央に寄せて株元に盛ることで水分が保たれます。土が足りなければ堆肥などで盛ると、均したときに表土に堆肥も供給できてよいでしょう。
6. 必要に応じて、移植株に寒冷紗を巻く。なければ防風ネットなどで対処しても大丈夫です。
育てているバラが日当たりや水はけなど環境に合わなかったり、庭のレイアウト変更が必要になったりした際に、株を移植することもあるかと思います。株への負担はあまりかけたくないものですが、もし移植を行なう場合には今回の手順を参考にしてみてください。
作業はできれば雪解け後すぐがベストですが、遅くとも5月早め(春のうち)に葉が展開する前に済ませるようにすれば、移植のショックも少なくなります。
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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