【動画あり】With the Herb ~ぽかぽかメニュー! ハーブが香るジャガイモ&アンチョビのグラタン
niwacul編集部
今回のテーマは、初心者も今から取り組める、実践的な「ポタジェのデザイン例」です。“心と身体、環境にも優しい”ポタジェ(菜園)のつくり方を4回に分けてご紹介中。
~このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介しています。お料理や花のクラフトも。
藤井 純子さん
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。
北海道もそろそろ野菜苗やハーブ苗などの定植時期になりました。前回まで紹介してきた「ポタジェのつくり方 1~3」を踏まえ、今回は、実践的なポタジェのデザイン例をご紹介したいと思います。
・「ポタジェのつくり方」を4回に分けてお伝え中! 今回はpart4「ポタジェのデザイン例」です。
[ポタジェのつくり方 内容の予定]
・Part1. ポタジェとは?育てる植物の選び方
・Part2. コンパニオンプランツ
・Part3. 植栽・レイアウトなどデザインの基本
・Part4. 実践的な「ポタジェのデザイン例」(今回のテーマ)
さっそく、ポタジェのデザイン例を見ていきましょう。ポタジェのイメージをデザイン図にしてみました。
宿根草と一年草を組み合わせることで、手入れの頻度が少なく、初めてでも育てやすいデザインです。広さは3m×3mの敷地を想定してみました。限られた空間を上手に生かして、作業がしやすく、いろいろな野菜やハーブの収穫も楽しめ、立体感と奥行きが感じられる素敵なポタジェです。
①敷地面積と方位を確認
広さは3m×3mで設定。菜園の出入り口は南側に配置して、デザインを考えてみました。イラストの上方が北になります。
②通路の確保
やわらかな印象になるよう、導線となる通路は少しカーブをつけ、通路には麦やクローバーなどのタネをまきます。草丈が伸びたら、根元10cmほど残して刈り込み、植物の株元や通路に覆って利用します。
③宿根草を定植
宿根草は、ローメンテナンスで管理できます。野菜が日陰にならないよう左側(西)にレイアウトしました。
【 植栽デザイン 】
●コモンマロウ(アオイ科) 1株
和名はウスベニアオイ。アオイに似た花を咲かせ、花色は紫~赤紫。草丈は1m以上になります。咳や気管支炎などの呼吸器系の症状を鎮めるハーブとして知られ、花をティーに利用します。
●ネトル(イラクサ科) 2株
ビタミンや鉄分、カルシウムなどの栄養素が豊富。ヒスタミンを含むため、喘息や花粉症などのアレルギー症状を緩和する効果が期待できます。草丈は50~100cmほどになります。地下茎で広がり、株分けして増やすこともできます。ただし、生育旺盛なので植え場所は考慮を。
●アジサイ(アジサイ科) 2株
花を乾燥させてリース作りにも。「秋色アジサイ」と呼ばれるものをセレクトします。秋色アジサイは特定の品種や種類のことではなく、花が退色すると、秋色=アンティークカラーの色合いに変化するアジサイのこと。昔ながらの品種に多いほか、改良品種では‛西安(シーアン)’が秋色アジサイに向きます。園芸店などで聞いてみるとよいでしょう。
●ミョウガ(ショウガ科) 2~3株
敷地の中で日陰になる北西には、日陰を好むミョウガを植えます。株元の近くに花蕾が出てくるので、開花して中がやわらかくなる前に収穫。刻むと独特の香りがあり、薬味やつまとして添えたりします。
④入口付近は草丈を低く
南側に植物を植えるときは、奥へ日差しが届くよう草丈の低い植物を選びましょう。入口付近は手が届きやすい場所なので、リーフレタスやイタリアンパセリ、エディブルフラワー用のビオラ、アリッサムなどサラダコーナーにしてはいかがでしょうか。色合いをコーディネートしながら植えると花壇のような雰囲気になりますね。
【 植栽デザイン 】
●ビオラ、ナスタチウムなどの一年草
ビオラなどの花をエディブルフラワーにする場合は、種子消毒されていないタネから育てるか、園芸店でエディブルフラワー用の苗を購入しましょう。また、自家採種したタネを利用すると安心・安全に食用として楽しめます。
春はアリッサム、ビオラ、コーンフラワー、夏はナスタチウム、カレンデュラ、ボリジ。ハーブ類の花も利用するとよいですね。
⑤奥に背の高い植物を!
奥に草丈のある植物を植えると菜園に広がりを与えてくれるので、キュウリをアーチに仕立てて植えたり、トマトを植えたりして高さを演出します。
【 コンパニオンプランツ 】
●キュウリ(ウリ科)+チャイブ
キュウリのコンパニオンプランツとして株元にチャイブを定植。うどんこ病の予防に、通路にはエン麦のタネもまくとよいでしょう。
●トマト(ナス科)+落花生+バジル
2m近くまで成長するトマトも奥の方に植えます。株元から20cmほどの場所に落花生(らっかせい)とバジルを植えます。
●赤シソ+青シソ(シソ科)
赤シソと青シソを組み合わせることで、お互いの害虫を予防する効果が期待できます。15~20cm間隔で植えましょう。シソは薬味やシソジュースに重宝しますね。
⑥中間はほどよい草丈の植物
奥の野菜に日差しが当たるよう、中間には草丈50cmほどの野菜を植えます。自然な高低差ができ、ポタジェらしい雰囲気になります。
【 植栽デザイン 】
●ズッキーニ(ウリ科)+ボリジ(ムラサキ科)
葉が大きく成長するズッキーニは、株間80cmほどをとりましょう。株間に受粉を助けてくれるボリジを植えます。うどんこ病の予防にエンバクのタネを周囲にまいておくとよいでしょう。ズッキーニは20cmほどの小さめサイズで収穫すると、秋ごろまで収穫を楽しめます。
●食用ホオズキ(ナス科)
小さい実が成る品種は草丈が低いので、通路脇に植えましょう。ビタミンや鉄分が多い食用ホオズキは、スーパーフードの一つといわれいます。
ご自宅のお庭の広さに合わせながら、今回のデザイン例を少しでも取り入れてみるのはいかがでしょうか。わからないことがあったら、4回にわたって「ポタジェのつくり方」を詳しくお伝えしてきましたので、読み直してみましょう。実践に生かして、今シーズンのポタジェづくりを楽しんでくださいね!
次回は、通路などにおすすめの「緑肥」についてをご紹介します。
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
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