
春一番の花と特別なホットドッグ ~Fビレッジガーデン&はなふる
エルミタージュ=隠れ家的な 走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。…北海道もガーデニングシーズンのスタートです!
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
子供のときから、青い色が好きでした。赤系の色は苦手で、洋服でもほとんど着たことがありませんでした。洋服ダンスをあけるとブルーや紺の服ばかり…。今はそんなことありませんが。
花の色についていえば、やはりブルー系が一番好きです。庭を見回すと、あちらこちらに青花や紫色の花が咲いています。
次に多いのがピンクや白系です。相変わらず、赤い花はあまり植えていません。アマの花が好きなのも、ブルーの花色と優しい咲き姿が魅力的だからなのでしょうね。
そういえば、以前訪ねたイギリス ロンドンの「キューガーデン」(キュー王立植物園:Royal Botanic Gardens, Kew)に、ブルーベルの群落があり、その清楚な美しさに息を吞みました。いつか、こんな風景を私の庭にも表現したいと思いながら、まだ実現していませんが…。ほかにも植えたいものがいろいろあるので仕方ないですね。
春はまだまだ花が少ないので、今回は、我が家の庭でシーズンを通して次々と咲いてくれる〝青い花″を紹介したいと思います。季節ごとのメインにもなってくれる青い花たちです。
●ヒヤシンス
春に優しい青色や、濃いブルーの花を咲かせる一番手です。耐寒性のある秋植え球根として扱われ、地植えはもちろん、鉢植えや水耕栽培などでも楽しまれていますね。花色は青ばかりでなく、ピンクや赤、黄色、白などカラフルにありますが、原種本来の花色は青紫色のみなのだそうです。
●ムスカリ
とっても小さな花が、ブドウの房のように密集して咲く姿が可愛らしいです。背丈も小さく、群生して咲かせると魅力を発揮してくれますね。花色は青紫、淡いブルーのほか、白や2色咲きのものも。2色咲きのものはあまり増えないですね。秋植え球根の一つです。
●シラー カンパニュラータ(ヒヤシンソイデス)
釣り鐘状の花を穂状に咲かせます。ヒヤシンスにも似ていますが、花の付き方が少ないですね。花色は青や紫のほか、ピンクや白もあります。春に花を咲かせる、秋植え球根の一つです。ヒヤシンソイデスとも呼ばれています。
●プルモナリア
春に小さな花を付けて、花後は大きな葉が地面を覆ってくれます。咲き始めのピンクから次第に紫色になり、咲き切るとブルーの花色になります。こぼれダネでもよく増えます。種類により、葉は緑葉のものや斑入り葉も。越冬可能な宿根草です。
●ブルンネラ
ワスレナグサのような小さな花を散りばめるようにして咲かせます。つぼみはピンクを帯び、花は淡いブルーの愛らしい表情です。葉は斑入りのものやシルバーがかるものもあります。宿根草なので毎年楽しめ、大株になったら株分けして別の場所に植えています。
●シラネアオイ
北海道では平地に見られる花ですが、本州に行くと山の中でしか見られません。寒冷地向きの山野草の一つで、春の庭で花咲く姿を見られるのは、とても幸せ。大きな葉の間からつぼみを出し、紫色の大きな花を咲かせます。花後に付けるタネの姿も個性的です。タネまたは根茎で増えます。
●ワスレナグサ(勿忘草)
可憐な春の花。一つひとつは小さな花ですが、水色の小花を無数に咲かせてとても素敵です。暑さに弱く、寒冷地向きの花。こぼれダネでもよく増えますね。もう25年ほど前になりますが、ロンドンで見た淡いピンクのチューリップとワスレナグサの寄せ植えが今でも忘れられません。
●宿根アマ
澄んだブルーの花色がとてもさわやかです。冷涼な気候を好む植物なので、北海道向き。4~5年で勢いはなくなってくるのですが、2年目、3年目はとても大株になって見応えがあります。友人のお庭でこの花を見たときに「懐かしい…」と感じたので、子供の頃にどこかで見ていたのかもしれません。私のおすすめの花です! 宿根アマの花の見ごろは6~7月ですが、今年は開花が早まりそうです。
以前に当別町のアマ畑、フランス ノルマンディ地方の生産地をご紹介しました。下記より、ぜひ見てみてください。
●オンファロディス カッパドキア
こちらもワスレナグサによく似た花を咲かせますが、濃く鮮やかな青花が印象的です。この青色は、私にとっては倍くらいの幸せを感じます。宿根草で毎年咲いてくれるので、楽しみの一つです。
●カンパニュラ
さまざまな種類があります。ぷっくりとした釣り鐘状の花が可愛らしいです。花は横向きや上向きに咲いて、花色は青紫や薄紫のほか、ピンク、白などがあります。宿根草の種類が初夏~夏にかけて開花し、花期が長いのも魅力です。
祖父が好きだった花で、ときどきお仏壇に供えて懐かしんでいます。何といっても私の花の師匠ですから。写真はたぶん、カンパニュラ ラプンクロイデス(昔から庭にある花なので、種類がはっきりしないのですが…)。
●オダマキ
落ち着いた雰囲気の日本古来のものから、華やかな西洋オダマキまであります。独特の花の形は本当に不思議で、いつまでも眺めていられますね。丈夫な宿根草です。花色は青紫のほか、ピンク、赤、黄色、白など多彩です。
●セントーレア モンタナ(宿根ヤグルマギク)
一年草の方が背丈は大きくなりますが、花はこちらの方が大きいです。伸びた茎の先に繊細な形状の花を咲かせます。高温多湿が苦手で、暖地では夏越しの難しい植物なのだそうですよ。北海道では、個性的な花姿を毎年楽しめるのがよいですね。花色は青~紫が基本種ですが、白やピンクの花を咲かせる品種もあります。
●ベロニカ
いろいろ種類はありますが、青花が主流です。写真はベロニカ‛オックスフォードブルー’、春から初夏に淡いブルーの花を咲かせます。自然に増えていくので、我が家の庭では一面に広がるようにしてグランドカバーに。ただし、増え過ぎには注意です! 必要ない場所では刈り込んだり、剥がして別のエリアに植え込んだりしています。
●キキョウ
星形の花は珍しいですね。つぼみは風船みたいな姿で、とても可愛いです。北海道では夏の間咲いてくれますが、温暖地では夏の高温多湿で枯れてしまうことも多いそうで、寒冷地向きの宿根草のようですね。
●グレコマ(カキドオシ)
丸みを帯びたやわらな質感の葉が特徴的です。春に小ぶりの可憐な花も咲かせてくれます。花色は淡い青~紫色。地面を這うようにつる状の茎が長く伸びて広がっていくので、グランドカバーとして利用できます。
●バラ‛エターナル’
花弁の開き方とブルー系の淡い紫の花色が気に入って、探して購入しました。花は開くとウェーブがかかります。香りもよく、 いわゆる「ブルーローズ」系の香りといわれいますね。
このほかにもチオノドクサ、アリウムやルピナス、アイリス・アヤメ・ショウブ、ゲラニウムやクナウティア(マツムシソウ)、キャットミントやセージ類、デルフィニウム、アジサイなど。晩秋には宿根アスター、アコニツムやクガイソウなどもあり、青~紫系の花を咲かせるものは意外と多くありますね。
少し話はそれますが、背の高い花は植栽デザインに高低差を加え、動きが出るので、いくつかの種類は取り入れたいですね。以前に、ルピナスやデルフィニウムの植栽について紹介していますので、下記よりぜひ見てみてください。
イギリスに「グラフトン コテージ」というところがあります(National Garden Scheme(N.G.S:ナショナル ガーデン スキーム ※)登録の庭、バーミンガムよりも北にある地域 スタッフォード,バートン辺り)。イギリスで最も色彩豊かな「秘密の花園」といわれているお庭です。大半がブルーの花で埋め尽くされるエリアがあり、「実際に見てみたい!」と思うほど。そのほかのエリアには白、ピンク、クリームの花が植えられていて、色彩のマジックのように美しく憧れてしまいます。今、一番行きたいところです!
この記事を書いた人
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。
書いた記事を見る\ このページをイイネする /
※会員ログイン後はお気に入り登録されます。