第11回

ローズガーデンダイアリー第11回 チューリップ開花とバラの植え替え

白い恋人パークから「ローズガーデン」で咲くバラたちや、シーズンごとのお手入れの様子などをお伝え。北海道で育つバラの品種や、実際に育てて感じるその性質など、ぜひ参考にしてください。プロならではのテクニックなども聞けそうです。

ローズガーデンのチューリップが開花!
バラは植え替え作業と初夏の一番花を楽しみに

今年の春は異常な早さで訪れて、ローズガーデンの約5,300球のチューリップも、例年ですとたくさんの方々が訪れるGW(ゴールデンウィーク)に間に合うか間に合わないかでヤキモキするのですが、ぴったりに見ごろを迎えて皆さんにも大変喜んでいただきました。

GW頃のローズガーデン。チューリップの開花がぴったりと合って、春らしい花風景を楽しめた
GW頃のローズガーデン。チューリップの開花がぴったりと合って、春らしい花風景を楽しめた

5月6日・7日には、植栽スタッフがタネから育てた一年草や宿根草のほか、イングリッシュローズのバラ苗販売会を開催し、たくさんの方が来園してくれました。植物やバラの育て方を直接お伝えすることができ、私たちもうれしい経験に。6月3日(土)・4日(日)にも販売会を行ないますので、ぜひお越しください!

ローズガーデンのバラの植え替え

ローズガーデンには、もう販売されていない廃盤になったイングリッシュローズの品種が多数あります。中には、イングリッシュローズのコレクションとして残しておきたい品種もあります。涼しい北国では比較的育てやすいイングリッシュローズとはいえ、ローズガーデンができた頃に植栽した品種と新しい品種では、耐病性や繰り返し咲き性などが格段に改善されてきています。
そこで今回、ローズガーデンのいくつかのバラを新しい品種に植え替えすることに。植え替え作業を行なうのは、同じ品種が6本植わっているイングリッシュローズの‘コテージ ローズ’4本と、ほか2品種の計6本です。植え替えのために抜いたバラの株は、別の鉢に植え込んで養生・管理します。
ここからは、植え替えの様子をお伝えしていきましょう!

【 植え替えの仕方 】

植え替え作業では、バラを掘り上げる際に根を切るので、上部の枝も短く落とします。先の尖った剣先スコップでバラの根元から20cmくらいのところに、四方に勢いよくスコップを挿して根を切ります。バラは根鉢をつくりづらい植物ですが、なるべく根と土がついた根鉢の状態で掘り上げるのがベストです。また、掘り上げた株は、鉢に植え込んで養生してあげます。

植え替え対象のバラ。イングリッシュローズ'コテージ ローズ'
植え替え対象のバラ。イングリッシュローズ'コテージ ローズ'
剣先スコップを挿して根を切る
剣先スコップを挿して根を切る
できるだけ根鉢の状態を崩さないようにする
できるだけ根鉢の状態を崩さないようにする

掘り上げた場所には、大苗(2年生苗)を植えるので、連作障害を防ぐためにも新しいバラ用土と、元肥として有機質の腐葉土や馬ふん、ぼかし肥料などを混ぜたものを300g入れ、植え穴の土とよく混ぜ込んで植え床をつくります。

新しいバラ用土(左)と、有機質とぼかし肥料を混ぜた元肥(右)を用意
新しいバラ用土(左)と、有機質とぼかし肥料を混ぜた元肥(右)を用意

用意したバラの大苗は’ユーステイシア ヴァイ'です。なるべく根を崩さないように鉢から出して、植え場所に植え込みます。土の隙間をなくすために、突き棒で土を突きながら植えていきます。植え込んだらたっぷりと水を与えて完成です。

突き棒で土を突きながら、土に隙間ができないように植え込む
突き棒で土を突きながら、土に隙間ができないように植え込む
最後にたっぷりと水やりして完了
最後にたっぷりと水やりして完了

新しく植えた大苗‘ユーステイシア ヴァイ’は、初夏に咲く花を見たいところですが、まずは木(株)をしっかりとつくることが重要。花は我慢して小さいつぼみのうちにピンチして摘んでしまい、花に養分を使わせないようにしながら、葉にいっぱい光合成をさせて丈夫なバラに育つよう管理をします。

木(株)をつくるために、小さいつぼみのうちにピンチして摘む
木(株)をつくるために、小さいつぼみのうちにピンチして摘む

ローズガーデンのバラも5月中旬には葉が展開してきて、日差しを浴びた葉はキラキラ光り、一日一日ものすごいスピードで成長していきます。今シーズンは気温が高い傾向にあるので、例年より1週間ほど早い、6月中旬くらいの開花かな…と予想しています。最も美しいといわれる一番花を楽しみに、毎日作業を進めています。

一番花のローズガーデン(昨年の様子)。優雅に咲くバラの花と香りに包まれる
一番花のローズガーデン(昨年の様子)。優雅に咲くバラの花と香りに包まれる

ガーデンの様子などは、白い恋人パーク公式 Instagram(インスタグラム)からも確認できます。春のチューリップや一年草の花壇、初夏からの一番花のバラの様子などをチェックして遊びに来るのもおすすめです。

 

白い恋人パーク公式 Instagram
https://www.instagram.com/shiroikoibitopark/

 

この記事を書いた人

田川昌広

2007年に石屋製菓入社。それまでは植物に興味がなかったが、入社を機に植物を手がけることに目覚める。「白い恋人パーク」のローズガーデンを含め、園内のすべてのバラを担当する。イングリッシュローズをメインに管理を行ない、バラの魅力を広めている。

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