
わたしの庭どうぐ 「カナテコバール」~小さな力を大きな力に変換!
武藤 良幸
ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。
庭にはさまざまな生き物がやって来ますよね。虫はもちろん、ネズミやモグラだって、知り合いの庭好きオジサンだってやって来ることがあるでしょう。その中で、「うちの庭にぜひ来てほしい!」と強く思われている生き物、それは“小鳥”じゃないでしょうか。
人気のシマエナガはなかなか来てくれそうにありませんが、シジュウカラやセキレイが来てくれたらうれしいですね。スズメだって大歓迎です。小鳥のさえずりをBGMにしたいとか、庭の植物にとって厄介な虫を片っ端から食べてくれそうとか、庭木の巣で小鳥の雛(ヒナ)がかえってくれたらとか…、そんな妄想をしたところで庭にやって来るのはたいていカラスやケムシ、アブラムシばっかり。
警戒心が強い小鳥を庭に呼ぶには、まず小鳥が安心できる環境を整えるのが大事といえます。小鳥が身を隠して休める樹木があるのはもちろん、バードバス(水場)や餌台を置くのも効果的。ただし、それらのサイズが大きいとカラスやヒヨドリのような強い鳥が場所を陣取ってしまいがちです。
さらには食事中の小鳥を見たいという思いで、餌台を家の窓の近くに置いてしまうのも家人や飼い猫の視線が気になって、そうやすやすと小鳥は来てくれないでしょう。小鳥を間近で見たい気持ちを人も猫もぐっと堪えて、人の気配を感じやすい窓辺や道路から離れた場所に、小さいサイズのバードバスや餌台を置くのがよいようです。
さて小鳥を迎える準備ができたら、あとは運と小鳥の気分にまかせて気長に待つだけ…。というより、「バードコール」を使って小鳥を呼ぶのも一つの方法です。
野鳥観察用に鳥を呼んだり、鳥と会話もできるといわれる「バードコール」。私が使っているのは、アメリカの自然保護団体「全米オーデュポン協会」の“赤いバードコール”です。
繭(まゆ)ほどの大きさの木製の筒に、松ヤニをまぶした金属の棒が挿し込まれているだけの簡単な構造で、金属の棒や筒を左右にくるくると回すと、その摩擦で小鳥の鳴き声のような音が出せます。棒や筒の大きさによって音に多少の違いがあるそうで、私のバードコールは金属の棒を素早く回すとヒバリの鳴き声のような音がして、ゆっくり回すとスズメの鳴き声に近い気がします。
え? このバードコールで、実際に小鳥を呼べたのかって?
実は…、小鳥が安心できる環境を整えられていないのか、小鳥についての学習が足りないのか、今のところバードコールを鳴らすたびに振り返ってくれるのは、知り合いの庭好きオジサンだけ。まだまだ私の修行が足りていないようです。
「momiji合同会社」代表。「momiji(もみじ)」は人と園芸、人と庭をつなぐための会社。若い園芸家や庭師を育て、彼らの道具や新しいガーデニンググッズの企画・販売を行なう。また、おしゃれな道具など介し、園芸・ガーデニングの普及活動に努めている。
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