第51回

レシピの具材や調味料に! 豊作のトマトを使った「トマト麹」

今回は、豊作のトマトを使って「トマト麹(こうじ)」づくりをご紹介。レシピの具材や調味料としても使えます。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

1カ月以上も暑さが続いた北海道。ようやく一段落か(?)といった予報を目にするようになりましたね。少しは庭に長居できるようになりそうです。

花や野菜にとっても、例年より過酷な環境だったのではないかと思いますが、我が家ではミニトマトが大豊作となっています。

黄色、赤など数種類のミニトマトを栽培
黄色、赤など数種類のミニトマトを栽培

ミニトマトを植えたのは、明るい北側エリア。とはいえ朝日と西日がしっかり当たる場所。その環境がちょうどよかったのか、食べ切れないほどの実を付けています。庭に出る度にいくつもつまみ食いしていても、次々と実を付けて追いつきません(笑)。
そんな中、「食べきれないから食べてー」とほかのお宅からもトマト、キュウリ、ズッキーニ、ピーマン、ナス、インゲンなど夏野菜がたくさん集まってきて、食卓に賑やかに並びます。

 

トマトをたくさんいただく機会には、トマトソースをメインにつくることが多いのですが、暑い日々に長時間煮込むのが少し億劫になり、代わりに「トマト麹(こうじ)」をつくっていました。調味料としてのアレンジにも利きます。そこで今回は、お気に入りの「トマト麹」のつくり方をご紹介したいと思います!

「トマト麹」づくり

麹菌はたんぱく質をアミノ酸に分解する「プロテアーゼ」や、でんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」などのたくさんの酵素を作り出します。その酵素には、料理に使う素材をやわらかくしたり、旨みや甘みを引き出す力があります。酵素の働きで腸内環境の改善や滋養強壮、疲労回復も期待できます。

トマトを使うと、抗酸化作用があるリコピンも同時に摂取できて、トマトの爽やかな風味が加わり、ドレッシングや調味料として使いやすくしてくれます。

季節の野菜と合わせて使うことで、旬の食材のよさを存分に楽しめますね。

トマト麹
トマト麹

「トマト麹」づくりに使用するトマトは、サイズや種類は問いません。最近は実の色や形もさまざまあり、家庭菜園では彩りや実の形も楽しみながら育てているかと思いますので、何でもOK! 大玉・中玉・ミニトマトなど、いただきものも含めて使用してみましょう。今回は、600gくらいをつくってみます。

サイズや色、形もいろいろなトマトを使ってOK! トマトが完熟する時期につくると、さらにおいしく仕上がる
サイズや色、形もいろいろなトマトを使ってOK! トマトが完熟する時期につくると、さらにおいしく仕上がる

1. トマトの皮が気になるようでしたら湯剥きし、ミキサーにかけます。ミキサーにかけたら、消毒した瓶にお塩と一緒に入れます。麹がプラスされる分を計算したサイズの瓶を用意してくださいね。
お塩は70g~100gをお好みで。大さじ1=18gだとすると、大さじ4~5くらいです。最初は大さじ4 を入れて味見をして、ご自分の味覚で許される範囲の塩味に追加していくのがおすすめです。塩分が少なすぎると傷むのが早くなるので、完成したら小分けにして冷凍するなど工夫が必要ですね。

麹とお塩は日本で親しまれる合わせ技
麹とお塩は日本で親しまれる合わせ技

2. 乾燥麹は2合~2.5合で、できあがりのかたさを目安にお好みで調整してください。水分の割合が多いと、さらさらとした仕上りに。水分の割合を控えると、とろみのある仕上がりになります。白米麹と玄米麹のどちらを使ってもよいです。玄米麹は甘みとコクが出るので、私はミックスして使っています。
米麹をボウルに入れて、熱めたお湯(38℃くらい)を麹の高さギリギリに入れると、しばらくすると米麹が水分を吸い込みます。麹菌は65℃を超える死滅してしまうので注意しましょう。

3. お湯でふやかした 2の米麹を、トマトと塩を入れた 1の瓶に少しずつ加えながら優しく混ぜます。これで仕込みは完了。その後は静かに発酵が進んでいきます。

仕込み完了。ぷくぷくと静かに発酵していく
仕込み完了。ぷくぷくと静かに発酵していく

10日間を目安に1日1~2回、消毒したスプーンで優しく混ぜればできあがりです。混ぜるのを忘れないようにしましょう。朝起きたらすぐとか、夜寝る前になどご自分で時間を決めるとよいですね。ヨーグルトメーカーなどの発酵器があれば、利用するのもよいです。
発酵させるためには、酸素(菌が呼吸する)が必要です。瓶の場合はフタを密閉しないでクッキングペーパーを被せ、輪ゴムで留めておきます。

発酵中のフタはクッキングペーパーを利用
発酵中のフタはクッキングペーパーを利用

トマト麹をアレンジして仕込む

上記でつくるトマト麹を、そのほかの野菜やハーブなどを加えてアレンジして仕込むことができます。自分好みの発酵調味料をつくるイメージですね。

●トマト麹+タマネギ+ニンニク

タマネギやニンニクを粗めのみじん切りにして、ボイルやレンジで一度熱を加えます。加熱することで甘みが増し、辛みが減るのでおすすめです。

素材の種類が増えることで、旨みとコクが出て味が締まります。トマト、タマネギ、ニンニクとくれば、相性バッチリの組み合わせ。味つけにこの野菜麹を使えば味に深みが出ますし、料理するときに必要な調味料や素材も減らせるので便利ですよ。

タマネギとニンニク
タマネギとニンニク

 

●トマト麹+ハーブ
ここでフレッシュハーブの登場です。トマト麹の発酵がある程度しっかり進んだところでフレッシュハーブを加えます。細かく刻んで入れてもよいですし、枝葉ごと軽く揉んで「香りを移す目的」で加え、それ自体は食さないという方法もあります。
ハーブには殺菌・抗菌作用の強いものが多く、最初から入れると発酵力がダウンする場合もあります。ある程度発酵が進んでから追加して、風味をプラスする感覚がおすすめです。

フレッシュハーブいろいろ。庭で育てているハーブをお好みで利用しよう
フレッシュハーブいろいろ。庭で育てているハーブをお好みで利用しよう

トマトのコンパニオンプランツでもあるバジルは、料理レシピでも相性が抜群。定番のスイートバジルのほか、シナモンバジルなど試してみるのも面白いですよ。

バジルは、トマトのコンパニオンプランツ。味わいの相性もよい! 左/スイートバジル、右/シナモンバジル

バジルのほかには、オレガノやタイム、セージ、イタリアンパセリもトマトとの相性がよいです。いくつかのバリエーションで仕込むと、それぞれに香りも風味も違いがあるのがよくわかります。

 

トマトのみを使った麹は、さっぱりとして爽やかな感じ。ニンニクと玉ねぎを入れたものは、コクがあり旨みがアップ。ハーブを加えるとそのままパスタに絡めたり、グリル肉の味つけに使える調味料として重宝します! できあがったトマト麹は、フタを閉めて冷蔵庫で保存してください。

トマト麹を使ったおいしいレシピは、またの機会にご紹介しますね!

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

herbarist・ハーブ研究家。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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