
北海道の花育て【10月】宿根草 深まる秋と宿根草の魅力あふれる姿
高林 初
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
曽根 浩太さん
岩見沢市にある「いわみざわ公園バラ園」勤務。工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理にあたる。
今シーズンは遅くまで気温も高く、秋バラらしいバラの開花が見られたのも遅くなったような印象でした。秋バラを楽しんだらすぐに雪囲いが始まりますので、今月は冬支度で忙しい月になりそうですね。
今回は、囲いの準備段階の作業である「切り戻し(丈落とし)」について説明したいと思います。
囲い施す前に行なう「切り戻し」は、任意の高さで切り揃える作業になります。株の高さを揃える「水平切り」になりますので、芽や樹形を考えることはありません。剪定の場合は、芽が伸びていく方向や樹形を見て考慮しながら切りますが、切り戻しはその必要ありません。切り戻しと剪定は、別の作業であるという認識を持つとよいでしょう。
切り戻しの目的は、早く雪の中に埋まり、寒風を防いで凍害を回避すること。ですので、そもそも凍害にあいにくい品種やつるバラ、株倒し法で越冬するようなバラには行なわない作業です。
切り戻す高さは、地域ごとの積雪の深さなどにもよりますが、岩見沢にある当園では高さ80cmに切り戻すようにしています。この作業を行なうことで、翌年以降の芽数が少なくなることを考えると、できるだけ高い位置で枝を残して切りたいですね。また、一律にすべてのバラを切り戻すのではなく、品種や系統よって切る・切らないを判断して、その後の葉むしり、囲いに備えてください。
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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