第57回

ポタジェ 手づくりの「ハーブゴマージュ」で手荒れ予防と肌ケア!

寒さが厳しくなる冬は、乾燥して手荒れが気になります。今回は、古い角質を優しく取り除き、キメの整った手肌に導いてくれる「ハーブゴマージュ」をご紹介します。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

ガーデニングや家庭菜園などをしていると土や水に触れる機会が多く、手袋をしていても手荒れしやすいですよね。さらに、寒さが厳しくなる冬は、乾燥して手荒れが気になる時期でもあります。そこで今回は、古い角質を優しく取り除き、キメの整った手肌に導いてくれる「ハーブゴマージュ」をご紹介したいと思います。

ジャーマンカモミールの「ゴマージュ」
ジャーマンカモミールの「ゴマージュ」

「ゴマージュ(※)」とは角質ケア方法の一つで、肌表面にある古い角質を落とし、かたくなった肌をやわらかくしたり、くすみが取れ、肌がワントーン明るくなるなどの効果が期待できます。ゴマージュしたあとにハンドクリームやミツロウクリームを塗ると、クリームが驚くほど浸透しやすくなります。市販されているピーリングやスクラブは化学成分や粒子が用いられますが、ハーブゴマージュは自然素材のハーブでつくるため安心ですし、香りのよいハーブを使用するとリラックス効果も期待できますよ。

 

※フランス語でゴマージュは、「優しくすり込む」「優しく削ぎおとす」の意味を持ちます。

 

「ハーブゴマージュ」におすすめのハーブ

●カレンデュラ(キク科、一年草)

古代ギリシャ時代から食品や化粧品、布の着色に利用されてきたカレンデュラは、皮膚や粘膜の修復に役立つハーブです。

カレンデュラは、花びらを利用する
カレンデュラは、花びらを利用する

 

●コモンマロウ(アオイ科、多年草)
コモンマロウは皮膚の粘膜を保護して、肌を滑らかにするといわれています。和名ウスベニアオイ、花色はピンクから濃い赤紫まであります。

赤紫の花が美しいコモンマロウ
赤紫の花が美しいコモンマロウ

 

●ジャーマンカモミール(キク科、一年草)
札幌では6月頃に満開になるジャーマンカモミール。可憐な白い花が咲き、優しい香りを漂わせます。優れた抗炎症作用とリラックス効果が期待できます。

花には優しいリンゴのような香りがあり、とても癒される
花には優しいリンゴのような香りがあり、とても癒される

 

●ラベンダー(シソ科、多年草)
「ハーブの女王」と呼ばれるラベンダーは、漂う香りがよいのはもちろんのこと、抗菌・殺菌力も高く、肌を清潔に保つ効果があるといわれています。

心を鎮めてくれるラベンダーの香りでリラックスタイム
心を鎮めてくれるラベンダーの香りでリラックスタイム

 

●ヒース(ツツジ科、低木)
ヒースに含まれるアルブチンは、メラニンを抑制する効果があるといわれています。日本では「エリカ」と呼ばれることも多い、可愛い花を付ける低木植物です。

耐寒性があるので、北海道でも越冬可
耐寒性があるので、北海道でも越冬可

 

●ドクダミ(ドクダミ科、多年草)
10種類の薬効があることから「十薬(ジュウヤク)」と呼ばれ、血行促進や解毒作用のほかに、フラボノイドがメラニンの生成を抑えてシミの発生を防ぐといわれています。

お茶や入浴、化粧水づくりなど、さまさまに利用できる
お茶や入浴、化粧水づくりなど、さまさまに利用できる

「ハーブゴマージュ」のつくり方

今回ご紹介するゴマージュは、手やひじ、かかと以外に、顔にも使用することができますが、顔に使用する場合や敏感肌やアレルギーのある方は、腕や足などで試してから使うようにしてください。また、つくったゴマージュはその日のうちに使い切るようにしましょう!

[ 材料 ]

・ジャーマンカモミール 5~10g

(今回は、ポタジェで育てたジャーマンカモミールをドライにしたものを使用)

・熱湯 大さじ1~3

・ハチミツ 少々
・植物油 少々

(マカデミアナッツオイルやホホバオイル、スィートアーモンドオイルなど)

※そのほか、フードミルやブレンダーなどと、ボウル、スプーンやヘラを用意

今回は、ジャーマンカモミールを使用
今回は、ジャーマンカモミールを使用

[ つくり方 ]
1. ハーブをフードミルなどで粉末状にします。

ミルに入れて粉末状にする
ミルに入れて粉末状にする
サラサラの粉末状に
サラサラの粉末状に

 

2. ボウルに移し替え、熱湯を大さじ1~3を加えます。好みのかたさに調整しましょう。

様子を見ながら水分(熱湯)を足し、かたさを調整する
様子を見ながら水分(熱湯)を足し、かたさを調整する

 

3. ハチミツと植物油を少々加えて、練り合わせたらゴマージュの完成です。

 

【Check!】 ハチミツには殺菌作用や抗炎症作用があり、ターンオーバーを整える作用があるといわれています。

ハチミツと植物油を少量加える
ハチミツと植物油を少量加える
すべての材料を練り合わせてゴマージュの完成!
すべての材料を練り合わせてゴマージュの完成!

月に1度のスペシャルケア!

ついつい忙しくて自分のことを後回しにしがちですが、頑張っている自分をいたわる時間も大切ですね。キメの整った手肌のためにも、毎日の入浴後にハンドクリームをつけるのは欠かせませんが、月に1~2度、ハーブゴマージュでマッサージをしてからハンドクリームを塗るだけでクリームの浸透効果が高まります。休日などのリラックスタイムにおすすめですよ。

[ ハーブゴマージュの使い方 ]
1. 入浴後やハンドバスで温まった手にハーブゴマージュを塗り、優しくマッサージします。手の甲や爪の周り、指の関節、手首などを優しくマッサージしながらハーブをなじませます。強くこすり過ぎないように注意してくださいね。ラップをして10分ほど時間をおくと、より浸透しやすくなります。

ゴマージュが落ちるので、新聞紙を敷くか、洗面所などで使うのがおすすめ
ゴマージュが落ちるので、新聞紙を敷くか、洗面所などで使うのがおすすめ
優しくマッサージしながらなじませる
優しくマッサージしながらなじませる

 

2. ぬるま湯でゴマージュを洗い流し、タオルで水分を軽く拭き取ります。手が温かいうちにハンドクリームを普段より少し多めにとり、手の甲や爪の周り、指の関節、手首などを優しくマッサージしながらなじませます。

ゴマージュをぬるま湯で洗い流したら、手にも愛情を込めてクリームを塗る
ゴマージュをぬるま湯で洗い流したら、手にも愛情を込めてクリームを塗る

 

3.綿の手袋をはめて10~30分ほどおくことで、より浸透しやすくなります。肌がやわらかくなり、キメが整ったことを実感できるはずです。

手袋をして浸透させる。手袋をしていれば、汚すことなく家事などの作業も行なえる
手袋をして浸透させる。手袋をしていれば、汚すことなく家事などの作業も行なえる

 

私が手をいたわるようになったきっかけは、小学生5年生頃に母にいわれた言葉でした。冬になると毎日雪遊びをして手が荒れ放題だった私に、「手と首に年齢が出てくるのよ!」と。それからというもの洗い物をする際はゴム手袋をして、入浴後にはハンドクリームを塗るという習慣が身につきました。元々手が荒れやすいのですが、土に触れる機会が増えた現在も手荒れに悩まずに過ごせているのは、そのときの母の言葉のおかげかなと感謝しています。

 

次回は、冬に備えた「ポタジェの冬支度」についてお伝えしたいと思います。

 

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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