第58回

ポタジェ 菜園の冬支度~冬囲い&野生動物から守るアイデア

札幌では初雪が降り、本格的な冬支度の季節。今回は、ポタジェの植物の冬囲い方法と合わせ、野生動物の被害から守るアイデアをご紹介します。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

札幌では初雪が降り、本格的な冬支度の季節が到来しました。今回は、ポタジェで育てている植物の冬囲いの方法と合わせて、野生動物の被害から植物を守るアイデアをご紹介したいと思います。

11月20日、我が家のポタジェ(菜園)の様子
11月20日、我が家のポタジェ(菜園)の様子

私のポタジェ(菜園)では毎年、初雪が降ったあとの11月中旬~下旬にバラやアジサイ類、ラベンダー、小果樹などの冬囲いをしています。もう少しあたたかい時期に済ませたいところですが、葉が落ちていない時期に冬囲いをすると植物が蒸れてしまうので、しっかりと気温が下がってから作業するようにしています。あたたかな小春日和に作業できれば、気持ちがよいものなのですが…。

ここ数年は、鹿やアライグマ、野ネズミなどの野生動物が頻繁に訪れるようになり、菜園の周囲に簡易的な電気柵を設置していますが、積雪のある期間は使用できないため、冬囲いの時期に合わせて野生動物対策も施すようにしています。

ポタジェに出没した野ネズミ。見た目はとても可愛いけれど、ポタジェの植物を荒らしにやってくる…
ポタジェに出没した野ネズミ。見た目はとても可愛いけれど、ポタジェの植物を荒らしにやってくる…

冬囲いする種類と動物対策

①バラやアジサイの保護

バラにとって一番の保温材は、雪のお布団がよいといわれていますので、私の菜園では耐寒性のあるバラを選ぶようにしています。雪の上に出ている枝などは凍害にあう場合がありますが、株全体が枯れてしまうほどではないので、ムシロや防風ネットなどは使用せずに冬越しさせています。
ただ、ここ数年、雪解け時期になるとバラやアジサイなどの株元の表皮がネズミに食べられてしまうことが悩みのタネに。「何かよい方法はないものか…」と試行錯誤してたどり着いたのが、「あぜ波板シート」と「亀甲金網」を利用した方法です。設置にも手間がかからず効果も実感しています。

愛情込めて育てた植物が、被害にあうのは悲しい。そこで対策を!
愛情込めて育てた植物が、被害にあうのは悲しい。そこで対策を!

 

・あぜ波板
あぜ波板は、田んぼの畔(あぜ)づくりに使われる資材で、素材や厚さ、幅(高さ)などさまざまな種類がありますが、私が使用しているのはプラスチック素材の「あぜ波板シート」で、厚さ0.5㎜、幅(高さ)30cm、2m巻のものです。植物の大きさに合わせてカットして利用できるので、とても便利。つるつるとしたプラスチック素材でできているため、物理的にネズミの侵入を予防することができ効果を実感しています。

あぜ波板シートは、ホームセンターやネットで購入することができる
あぜ波板シートは、ホームセンターやネットで購入することができる
好きな長さにカットして利用する
好きな長さにカットして利用する

[ 使用方法 ]
あらかじめ枝をまとめ、紐(ヒモ)で縛っておきます。ネズミが地面とあぜ波板シートの隙間から侵入しないように、地面にシートを少し埋めるように設置します。シートが少し重なるように巻きつけ、洗濯バサミで仮留めしてから、紐でしっかりと縛ります。シートの上部をムシロや防風ネット、次に紹介する亀甲金網を巻くと万全ですね。

洗濯バサミで仮留めするとラクに作業できる
洗濯バサミで仮留めするとラクに作業できる
紐でしっかりと縛る
紐でしっかりと縛る

 

・亀甲金網
亀甲金網は、網目が六角形をした金網で、ホームセンターなどで購入できます。私が利用しているのは、量り売りの網目が1cmでビニールコーティングされたものをペンチなどで好みの大きさにカットして利用しています。切り口が鋭利なので、取り扱う際は軍手などで保護してから作業するようにしてください。

亀甲金網は、量り売りされているので、好みの大きさを購入することができる
亀甲金網は、量り売りされているので、好みの大きさを購入することができる
植物に大きさに合わせてカット
植物に大きさに合わせてカット

例えば、つるバラのつる(枝)を束ねて横に寝かせて冬囲いをする際も、亀甲金網は柔軟性があるため隙間なく全体を覆うことができます。通気性がよいので、雪解け後もしばらくはつけたままにしておくと安心です。

写真は、アナベルの株元を亀甲金網で覆った様子
写真は、アナベルの株元を亀甲金網で覆った様子

②球根や秋まき麦の保護

私の菜園では、晩秋にクラフトづくりのために秋まき麦をタネまきしていますが、タネまき後の新芽や翌年の春に再び出てきた新芽を鹿などの野生動物たちが食べてしまい、麦が育たなかったことがあります。

まだ野山に食べるものがない時期ですから仕方がないのですが、最近ではチューリップなどの球根も食べにくるという話を耳にします。そこで考えたのが、寒冷紗や防虫ネットを利用した方法です。不織布は濡れると通気性が損なわれますが、寒冷紗や防虫ネットは雪解け時期も通気性がよくおすすめです。

寒冷紗や防虫ネットが便利
寒冷紗や防虫ネットが便利

[ 使用方法 ]
早春に新芽が育つことを考慮して、ネットをぴったりと張らず、中に空洞ができるよう少し余裕を持たせてふんわりとかけます。中にレンガや植木鉢などを置いてネットが浮くようにするのもよいでしょう。風でネットが飛ばないように、マルチを押さえるピンやレンガなどで数カ所を固定します。

ピンなどのマルチ押さえで固定する
ピンなどのマルチ押さえで固定する

③ブルーベリーやハスカップなど小果樹の保護

枝が細く折れやすいブルーベリーやハスカップなどの小果樹には冬囲いをしましょう。まず、3~4本の支柱を立てて、円錐形になるように紐で縛ります。その上から防風ネットやムシロをかけ縛ります。翌年、雪が解けたらすぐに外したくなりますが、まだ風が冷たいのでしばらくはかけたままにして、新芽が出始める頃にネットを取り除き、枝を広げてあげましょう。

冬の到来を感じる、囲いを施された植物たちの風景
冬の到来を感じる、囲いを施された植物たちの風景

④ラベンダーの保護

ラベンダーは雪の重さで枝が折れてしまうことがあるので、株全体を紐で縛りましょう。この時に、株の中心付近に太めの支柱を立ててから縛ると雪の重さで樹形が乱れるのを防いでくれます。こんもりとした美しいラベンダーに育ってくれますよ。

折れてしまった太めの支柱を再利用している
折れてしまった太めの支柱を再利用している
カナヅチで叩いて土に挿し、株の支えにする
カナヅチで叩いて土に挿し、株の支えにする
大株のラベンダーは、上下2カ所を縛るとよい
大株のラベンダーは、上下2カ所を縛るとよい

ポタジェでは、野生動物を含め病害虫や雑草などと戦わず、なるべく自然素材を利用することを心がけていますが、昨今の野生動物の被害は深刻なものになりつつあります。
今回ご紹介した、あぜ波板シートや金網などは自然素材ではありませんが、長く使用することができますので、できるだけ手間をかけず、ストレスがなく育てることを楽しめたら素敵なことですね。

 

次回は、「濃厚カボチャプリンのつくり方」をご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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