第24回

北海道の花育て【12月】宿根草 根雪になる前にマルチングを!

北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。

教えてくれる人

高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。

高林 初さん(イコロの森)
高林 初さん(イコロの森)

マルチングで冬越し!
根雪になる直前が作業のタイミング

花壇の刈り込みが完了したら、根雪になる前にマルチングを施しましょう。マルチングは、花壇にウッドチップや腐葉土、堆肥などを全体に敷き均して表土を覆うことをいいます。花壇の見た目を美しくし、植物を寒さから保護する効果を期待できます。

ウッドチップでマルチングを施した花壇。明るい色のチップは堆肥化するのに時間がかかるが、マルチングとしては長く使用できる
ウッドチップでマルチングを施した花壇。明るい色のチップは堆肥化するのに時間がかかるが、マルチングとしては長く使用できる

マルチングを行う理由

花壇の見た目を美しくする(修景効果)

土壌の温度を保つ(地温の上がりすぎや下がり過ぎを抑える)
土壌の湿度を保つ(土壌の乾燥を抑える)

雑草を抑える

土壌改良の効果

マルチングにおすすめの材料
メリット・とデメリット

●腐植(馬ふん堆肥/牛ふん堆肥/バーク堆肥/腐葉土)

メリット:ホームセンターなどで袋単位で入手でき、利用しやすい。土壌改良として即効性が高い。
デメリット:
費用がかかる。

●自家製コンポスト
メリット:庭で出たものを利用するので循環型でエコな方法。ゴミを減らせて、購入の必要がなく経済的。
デメリット:コンポストをつくるエリアが必要、手間がかかる、雑草が混入しやすい。

●ウッドチップ
メリット:修景効果や雑草抑制効果が高く、長もちしてくれる。
デメリット:入手が困難になる場合がある。

花壇全体に腐植を敷き均す様子。株や芽の上に被っても大丈夫。ただし、踏まないように注意しながら作業を行なうこと
花壇全体に腐植を敷き均す様子。株や芽の上に被っても大丈夫。ただし、踏まないように注意しながら作業を行なうこと

マルチングの厚さや量

マルチングは上記の材料を花壇全体に5~8cmの厚さで敷き均します。宿根草の株や新芽に被せてしまっても問題ありません。春にはちゃんとマルチングの中から新しい芽が成長します。
薄すぎると効果をあまり実感できず、厚すぎると効果が高まりますが、成長期に土壌の温度が上がりにくいため、根の成長が遅くなることもあります。適切な厚さで均等に敷きましょう。

 

例えば、8cmでバーク堆肥を敷く場合、花壇の面積が10㎡(平方メートル)あれば、10(㎡)x0.08(m)=0.8(㎥/立方メートル)=800(L)なので、市販のバーク堆肥が40(L)入りなら20袋ほど必要となります。自家用車では一度で運搬できない量ですので、エリアを決めて隔年ごと行なう、自家製コンポストと併用するなど工夫するとよいでしょう。

寒さに弱い種類に施す

宿根草は種類によって耐寒性の強弱が異なります。耐寒性の弱い種類にはマルチングを小山のようにたっぷり被せてあげると安心です。

春に雪が解けたらレーキで敷き均すのを忘れずに。

越冬が心配な種類にはこのようにマルチング材で株を覆い、寒さから守る
越冬が心配な種類にはこのようにマルチング材で株を覆い、寒さから守る

イコロの森で実践している自家製コンポスト

●落葉堆肥
秋に掃除で大量に集まる落葉を袋に入れ、足で思い切り踏み固めて圧縮し、2~3年放置しておきます。袋の中で立派な腐葉土が完成します。

自家製の腐葉土で、通路脇の大事な植物にマルチング
自家製の腐葉土で、通路脇の大事な植物にマルチング
花壇掃除で集めた落葉を袋に詰めて、足で何度も踏んで圧縮している
花壇掃除で集めた落葉を袋に詰めて、足で何度も踏んで圧縮している
袋に詰めた落葉が2年後、腐葉土になっている
袋に詰めた落葉が2年後、腐葉土になっている

 

●馬ふん堆肥
庭の管理で大活躍の馬のナナちゃん。ナナの糞(ふん)をガーデンで剪定した枝や刈り込んだ宿根草などを粉砕したものと混ぜて、自家製馬ふん堆肥をつくっています。栄養たっぷりで土壌改良に最適な堆肥をまたガーデンに戻します。

ガーデン内で大活躍のナナちゃん。ナナの糞(ふん)もガーデンに戻っていく
ガーデン内で大活躍のナナちゃん。ナナの糞(ふん)もガーデンに戻っていく
ガーデンで発生した刈り込んだ残渣を集めておき、この機械で粉砕する
ガーデンで発生した刈り込んだ残渣を集めておき、この機械で粉砕する
こちらが粉砕後。これをナナ(馬)のふんと混ぜて馬ふん堆肥をつくる
こちらが粉砕後。これをナナ(馬)のふんと混ぜて馬ふん堆肥をつくる

落葉堆肥も、馬ふん堆肥もつくる過程でどうしても雑草のタネが混入してしまうので、マルチングに利用したすぐあとは除草が少し大変になりますが、環境に優しい方法としてイコロの森では実践しています。
花壇の整理が済み、根雪になる直前の今がマルチングを施すには最適なタイミングです。ぜひ行ないましょう。

この記事を書いた人

高林 初

高林 初

英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。

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