第61回

ポタジェ 冬の楽しみ!スプラウト栽培 ~サラダの彩りや鍋料理にも

植物が恋しい、春が待ち遠しい季節ですね。そこで今回は、室内で育てる「スプラウト」栽培をご紹介。種類や栄養のこと、上手に育てるポイントについてなど。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

冬至が過ぎると少しずつ日も長くなり始め、春が待ち遠しくなる季節ですね。特に北海道や東北など菜園が雪に覆われる地域では、冬の間は植物に触れることができないために、「植物が恋しい!春が待ち遠しい!」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、室内で育てる「スプラウト」栽培をご紹介したいと思います。
冬の室内は、夏に比べて低温時も多いため雑菌が繁殖しづらく、スプラウト栽培にもってこいの季節。小さなタネが発芽して成長していく姿は、心を癒してくれることでしょう。スプラウトの種類や栄養のこと、上手に育てるポイントについてなどお伝えしていきます。

レンズ豆のスプラウトのサラダ。レンズ豆の栽培は、もやし栽培を参考に
レンズ豆のスプラウトのサラダ。レンズ豆の栽培は、もやし栽培を参考に

●スプラウトとは?

「スプラウト」とは「新芽」の総称で、成長した野菜よりも栄養素や酵素が多く含まれることから、スーパーフードとも呼ばれ注目されています。ブロッコリースプラウトのほかにも、普段から馴染みのある“もやし”やカイワレ大根、豆苗などもスプラウトの仲間です。
もやしとカイワレ大根は、見た目が違うように栽培方法が異なります。スプラウトは半日陰程度の光を当てて栽培するのに対して、もやしは日陰に置き、光を当てずに栽培するため白くなります。

栽培の基本・ポイント!

・タネ選び 
薬品などが使われている場合があり、短期間で収穫することからスプラウト専用のタネを使用するのが安心です。また、エンドウや大豆は、自家採種したタネを使用することもできます。
1~2日浸水(水に浸す)させて発芽を促すと、タネが2~4倍に膨らみます。

さまざまなスプラウト専用のタネがある(グリーンフィールドプロジェクト)
さまざまなスプラウト専用のタネがある(グリーンフィールドプロジェクト)

・光と温度
直射日光が当たる場所や温度が高い場所に置くと、雑菌やカビが発生しやすくなるため、20℃前後がよいでしょう。スプラウト系は半日陰で栽培。もやし系は日陰で栽培します。

 

・栽培用の容器
専用の容器を使用すると容易に栽培することができます。ガーゼやスポンジなどを使用する場合は、雑菌が繁殖しやすくなるのでご注意ください。

左奥/豆苗栽培容器、右奥/もやし栽培容器、手前/スプラウト容器
左奥/豆苗栽培容器、右奥/もやし栽培容器、手前/スプラウト容器

いろいろなスプラウトの種類

●豆苗(とうみょう)
マメ科のエンドウの若い芽を食用する豆苗は、豆と葉物野菜の栄養を合わせ持ち、特にビタミンA・C・E、カリウムや食物繊維が多く含まれた緑黄色野菜。豆苗を食用とする習慣は中国で始まったといわれ、つる先の10cmほどの若芽を摘み取るので収穫に手間がかることから、中国では高級品なのだそうです。菜園でサヤエンドウやスナックエンドウ、グリーンピースを育てている方は、自家採種したタネで豆苗を栽培することもできます。

豆苗は、料理の彩りや鍋料理にも重宝する
豆苗は、料理の彩りや鍋料理にも重宝する
自家採種しているウスイエンドウ(グリーンピース)のタネ
自家採種しているウスイエンドウ(グリーンピース)のタネ

[ 栽培方法 ]

1. 容器にタネを入れ、タネがかぶる程度の水を入れて1~2日ほど浸水します。光を遮るためにアルミホイルなどでカバーしてもよいでしょう。タネは2~4倍に膨らみますので、容器に対して少なめに入れましょう。発芽後はタネの半分程度が水に浸かるようにします。

2. 根がたくさん育ったら、根の部分だけが水に浸かるようにして栽培します。水を入れ替える際に根元を流水で洗い流し、水を張るトレーもきれいに洗いましょう。

 

3. 豆苗は脇芽が成長するため、2~3回収穫することができます。イラストのように、1回目はの部分を切り、2回目はで切ります。脇芽を残して刈り取ると徐々に茎が細くなっていきますが、7~10日ほどで再度収穫できます。

脇芽の位置を確認しながら収穫しよう
脇芽の位置を確認しながら収穫しよう

 

●ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトは成長したブロッコリーよりも栄養価が高く、スルフォラファンやβカロテン、ビタミンC・Eなどの抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれ、老化防止や美肌効果、生活習慣病の予防、肝臓機能の改善を促すなどの効果があるといわれています。

[ 栽培方法 ]
1. 1~2日浸水し発芽を促します。光を遮るためにアルミホイルなどでカバーしてもよいです。ブロッコリースプラウトのタネは小さいため、目の小さな栽培容器を使用するのがおすすめです。

目の小さな容器を使用し、ブロッコリースプラウトのタネをまく(容器・タネ:グリーンフィールドプロジェクト)
目の小さな容器を使用し、ブロッコリースプラウトのタネをまく(容器・タネ:グリーンフィールドプロジェクト)

 

2.発芽したら、タネの部分だけが水に浸かるように管理します。乾燥している場合はスプレーで水を噴霧しましょう。

 

3. 5cmほどに成長したら収穫します。ブロッコリースプラウトは豆苗のような脇芽がないため、一度収穫したら再び育つことはありません。カイワレ大根やレッドキャベツスプラウトも同様です。

スプラウトの可愛いグリーンが元気をくれる!
スプラウトの可愛いグリーンが元気をくれる!

また、カイワレ大根とレッドキャベツのスプラウトも、ブロッコリースプラウトと同様に栽培しましょう。

カイワレ大根とレッドキャベツのスプラウト。緑と赤紫を帯びた2色の新芽に!
カイワレ大根とレッドキャベツのスプラウト。緑と赤紫を帯びた2色の新芽に!

 

●もやし系
少し変わったところで、緑豆もやし、大豆もやし、小豆もやしなども自分で栽培することができます。ひょろひょろとしてあまり栄養がないように見えますが、ビタミンCや食物繊維、カリウムなどが豊富。特にナムルなどに使われる大豆もやしは栄養価が高く、ひよこ豆やレンズ豆は、ヨーロッパではサッと茹でてからサラダにしたり、煮込み料理も人気です。

[ 栽培方法 ]
1. 栽培容器にタネ(豆)を入れ、豆の3~4倍の水を注いだら、1~2日ほど水に浸します。

水はタネ(豆)の3~4倍。そのまま1~2日ほど水に浸す
水はタネ(豆)の3~4倍。そのまま1~2日ほど水に浸す

 

2. 発芽後は水に浸ったままにせず、毎日流水で洗い、逆さにして水切りをして育てます。なるべく光を当てないようにすることで、白いもやしのようになります。使用している容器は、上部が網になっているため、水切りが簡単にできるうえ、通気性がよく、蒸れなど心配が少ないのでおすすめです。

毎日水洗いして、しっかりと水を切って栽培しよう
毎日水洗いして、しっかりと水を切って栽培しよう
上部が網になっている栽培容器(グリーンフィールドプロジェクト)
上部が網になっている栽培容器(グリーンフィールドプロジェクト)

 

3. 10日ほどで収穫できます。食べるときはしっかりと洗い、茹でたり、炒めたりするなど加熱してから食べるようにしてください。

サラダにしていただく際も、さっと茹でて!
サラダにしていただく際も、さっと茹でて!

さまざまなスプラウトをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 植物がすくすくと育つ様子を近くで眺めるのも、楽しいひとときですね。
スーパーフードとも呼ばれるスプラウトを育てて、サラダやお料理などに活用してみてください。

 

次回は、先人の知恵「野菜栽培の格言、名言」をご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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