第10回

今週の花(9月6日) アナベル

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。

撮影:走川 正裕 文:走川 貴美

皆さんよくご存じの「アナベル」です。最近は「ピンクアナベル」も人気ですよね。

 

咲き始めはグリーンの花色から始まります。咲き進んでいくと白花に変わり、さらに進むとまたグリーンを帯びてきます。長く楽しめる花で、花後はいつカットしても、次の年に花が咲くのが魅力的です。私は秋遅くに、根元10cmくらいでカットしています。

咲き始めの爽やかなグリーン色のアナベル
咲き始めの爽やかなグリーン色のアナベル
夏はきれいな白花に。大きめの房状に丸くまとまる
夏はきれいな白花に。大きめの房状に丸くまとまる
晩夏から味わいのあるグリーンを帯びてくる
晩夏から味わいのあるグリーンを帯びてくる

もう20数年前、帯広の紫竹ガーデンに遊びに行きました。紫竹のおばあちゃんに案内されて園内を見ていたとき、「これは流行るわよ! 持っていきなさい」と言って、2株掘ってくれました。それが我が家のアナベルです。
本当にその通りになりました。庭に植えてあるアナベルを見て、皆さん「これは何?」と聞き、「いいなー」とうらやましそうでした。それを見ていた夫がホームセンターに行き、小さなプラ鉢(プラスチック製の鉢)と鹿沼土をたくさん買い込んで、挿し木をし始めました。そして来る方たちに、「どうぞ」と言って差し上げていました。何軒のお家に行ったことでしょうか。…我が家の庭にも挿し木などで増やしたアナベルがあちらこちらで咲いています。

庭のあちらこちらで咲く。アナベルの白花は、落ち着きのある華やかさ
庭のあちらこちらで咲く。アナベルの白花は、落ち着きのある華やかさ
ピンクアナベル。咲き進むと優しいピンクの花色、丸い形状が愛らしい
ピンクアナベル。咲き進むと優しいピンクの花色、丸い形状が愛らしい
白花のアナベルと一緒に咲いて、お互いを見守っているよう
白花のアナベルと一緒に咲いて、お互いを見守っているよう

白も、ピンクの花もやや乾燥してきた頃に、生花のままでリースを作ります。すっかり乾いてしまうと、作る際に崩れてしまうからです。庭に咲いたバラ、ルリタマアザミ、ヘリクリサム(帝王貝細工)、千日紅などをドライにしてグルーガンでくっ付けて、毎年恒例のリース作りです。
小学生でも作くれるので、9月には我が家の納屋に生徒さんが集まって、せっせとみんなで作りました。しかし去年今年はそうもいきませんでした。それで私がリース台を作って、あとの飾りは各自でできるように…と配りまくっています。
例年ならリース作りを体験した後、庭でランチをしておしゃべりをするのがですが、楽しかったことを思い出しながら一人納屋にこもって制作しています。

グリーンのアナベルをベースに、ほかの花を飾りにして
グリーンのアナベルをベースに、ほかの花を飾りにして

今年、紫竹のおばあちゃんが亡くなったということを聞いて、残念に思うのとともに、いろいろ思い出して目頭が熱くなりました。出向くたびに、帰りに何かしら持たせてくれるのです。たくさんのラワンブキをいただいたこともあります。大きく育ったルピナスだったり、花のタネだったり。実家に帰ったときのお母さんのようでした。
60歳からガーデンづくりをされたお話も、幾度とお聞きしました。「遅いなんてことはないのよ」とも言っていました。その言葉は背中を押してくれる〝魔法の言葉″のようでした。

しっとりとした雰囲気が漂う、夏の夕暮れ
しっとりとした雰囲気が漂う、夏の夕暮れ

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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