第6回

風葉香つれづれ日記 …かりの あさの

今回は、〝柑橘の香り"がするハーブをご紹介。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう…日々の出来事を、ハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

山の色合いに黄色みが増えてきました。我が家は360度ぐるりと山に囲まれていて、木々のボリュームや色味で季節の移り変わりを味わっています。幼い頃からこの環境にいるせいか、山が見えない場所に行くと落ち着かない気持ちになることもあり…。毎日、山の風景を眺めるのが日課のようになっています。


お庭の植物も緑色に黄色みを帯びてきました。ハーブたちは葉がかたくなり始めて、ミントも急いで花を咲かせています。

周囲は山々の風景。少しずつ庭に黄色みが増してきた
周囲は山々の風景。少しずつ庭に黄色みが増してきた
タネを残そうと、花を咲かせるミント
タネを残そうと、花を咲かせるミント

今回は、お庭にある"柑橘の香り"を纏(まと)ったハーブのご紹介です。爽やかで香りよく、暮らしの中でも役立つ素敵な種類をセレクトしてみました。

レモンバーム
レモンバーム

宿根草の「レモンバーム」。こぼれダネで、庭のあちらこちらから芽を出す強健種です。フレッシュ、ドライのどちらでもおいしいお茶になります。レモンの香りは控えめですが、万人に好まれるハーブです。
神経性胃炎や不安定な気持ちを鎮めてくれる作用やヘルペスへの抗菌効果もあると言われています。精油は「メリッサ」と呼ばれ、高価なものです。こんなに丈夫でよく増えるハーブですが、採油量が少ないのですね。メリッサの香りは素晴らしく、呼吸器やアレルギーに古くから利用されていました。

レモンバーベナ
レモンバーベナ

「レモンバーベナ」は、寒さに弱い低木です。成長とともに木質化していき、乾燥と暑さには比較的強いハーブで、何よりレモンの香りが強く、ドライにした後も長く香りが持つことが特徴です。以前、南フランスへ出向いたとき、7月でしたが気温は38度、湿度が35%の環境の中でもレモンバーベナやローズマリーは生き生きとしていて、宿泊先のオーベルジュやホテルの庭先でよく見かけました。

銀食器でいただくベルベンヌティー
銀食器でいただくベルベンヌティー

また、レモンバーベナは「ベルベンヌ」という名前のハーブティーで親しまれていて、カフェでのティータイムには定番です。食後にいただくと、レモンの香りですっきり感が得られます。

レモングラス
レモングラス

遠目に見ると、「レモングラス」は草と区別がつかないのですが、かすかに干し草のような香りの中にレモンのすっきりした風味を感じられるハーブです。アジア料理に欠かせないハーブで、トムヤムクンなどが代表的ですね。
暑い地域が原産地。北海道では戸外越冬は難しいので、収穫してドライにして保存します。緑茶とのブレンドティーはおすすめしたい一品。健胃作用や抗真菌作用が期待できます。また、精油には防虫作用があり、虫除けキャンドルやスプレーなどに利用されています。

レモンマートル
レモンマートル

お花が可愛い「レモンマートル」。 成長とともに木質化していきます。
こちらも北海道での戸外越冬は難しいのですが、室内に取り込む価値のあるハーブです。
レモンの風味がする葉のお茶は、 風味が落ちるので淹れたてがおすすめです。 花のつぼみはアスピリンの原料に使われるといいます。

 

ハーブをいろいろ知っていくと、先人たちは植物の持つ働きをどのようなきっかけで知り、利用してきたのか大変興味深いですね。

 

つづく

戸外越冬が難しい種類は、鉢植えで栽培を。お庭に並べる際には、1カ所に数鉢を集めた方がまとまりのよいデザインに
戸外越冬が難しい種類は、鉢植えで栽培を。お庭に並べる際には、1カ所に数鉢を集めた方がまとまりのよいデザインに

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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