第7回

南フランスの素敵な植栽やハーブ 数回にわたってご紹介<vol.1>

数回にわたり、〝南フランス紀行″をお届け。現地の素敵な植栽やハーブについてなど紹介します。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう…日々の出来事を、ハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

2019年の夏、フランスに出向く機会がありました。パリから南仏地方を巡り、さまざまなガーデンに触れてきたので、コロナ禍で海外旅行に出かけることができない今、現地の雰囲気を味わっていただけたらと思い、今回の風葉香つれづれ日記は〝南フランス紀行″をご紹介したいと思います。

壁面に這うヘデラが圧巻。ドアの前にシンメトリーに配置された鉢植えの緑、手前の花壇にもバラが植えられ、建物と空間が一体のデザイン
壁面に這うヘデラが圧巻。ドアの前にシンメトリーに配置された鉢植えの緑、手前の花壇にもバラが植えられ、建物と空間が一体のデザイン

フランスに出向いた年は、パリで40度近くになった酷暑の夏でした。旅行中は連日38度くらいでしたが、湿度が低いので、気温ほどの暑さを感じずに過ごせたのは幸いでした。


パリから南下して向かったプロヴァンス地方の宿泊先のホテルには、広大なお庭がありました。壁面はヘデラで覆われていて低木、樹木、落ち着いた色合いの花でまとめられたガーデン。湿度は30%台、気温は日没の21時頃になっても27度の中、水の管理はどうしているのだろう…と気になって、チェックインの後すぐにお庭へ行ってみました。

ホテルからお庭へ続く通路。両脇にはアガパンサスが咲く。花壇のコーナーや視線の先に丸く刈り込まれた低木などと、リズミカルな植栽デザインが楽しい
ホテルからお庭へ続く通路。両脇にはアガパンサスが咲く。花壇のコーナーや視線の先に丸く刈り込まれた低木などと、リズミカルな植栽デザインが楽しい

ガーデンや畑の至る所に、灌水装置が設置されていました。装置もホースも目立たない色です。これは猛暑が続いている日本でも取り入れていくとよいのでは、と感じました。あの暑さの中で作業する人には、熱中症の危険が伴います。実際、ガーデナーは早朝に作業をされていました。

タイム畑の灌水装置。至る所にホースがめぐらされ、暑さの中でも植物は葉色・花色の発色もよく、生き生きとしていた
タイム畑の灌水装置。至る所にホースがめぐらされ、暑さの中でも植物は葉色・花色の発色もよく、生き生きとしていた

広大な敷地の中には池のエリアやキッチンガーデンエリア、食事前のアルコールをいただくガーデンリビング、朝食をとるテラスエリア、ディナーは車で送迎があるガーデンレストランといったように、ガーデンの中に建築物が自然にとけ込んでいて、植物のある暮らしが身近なのだと強く感じました。

フランスではキョウチクトウが3m近い樹木となり、花をたくさん咲かせている風景を住宅街や宿泊先で目にしました。赤、白、ピンクなどのビビットな色合いの花が、風景を引き締めていました。

ガーデンリビング。低木や木々、植物のグリーンに、アガパンサスやロシアンセージ、ラベンダーなどの白やブルーの花色が落ち着いた雰囲気
ガーデンリビング。低木や木々、植物のグリーンに、アガパンサスやロシアンセージ、ラベンダーなどの白やブルーの花色が落ち着いた雰囲気

雨がほとんど降らないのか、布製のソファーなどもガーデンの中にあって、すっかりリビングと化しています。ロシアンセージやアガパンサス、アサギリソウ、ラベンダー、カレープランツなどシルバーや白色、薄紫色でコーディネートされた植栽が落ち着く雰囲気で、私も好みのエリアです。
ここで「パスティス」という南仏のお酒をいただいたのですが、フェンネルやスターアニスの香りが食欲をそそり、普段ほとんどお酒を飲まない私ですが、すっかり気に入ってしまいました。

サントロペの宿泊先では、やはりプールのあるガーデンを中心にコテージが取り囲むように設けられ、植物のある空間が違和感なくありました。地中海性気候で湿度が低いからなのか、蚊がほとんどいなくて驚きました。
パラソルのあるテラス席で食事を。南仏で宿泊したホテルでは、どこも食事はガーデンエリアでした。お料理もさることながら、周りの植物が気になり、どの宿泊先でも朝早起きしてガーデンに足を運びました。
立地条件などもあるかと思いますが、北海道でも日常的にこんな風にお庭で食事ができるような暮らしをする人が増えたら、きっと楽しいだろうな…と感じます。

アンティーブまで来るとイタリアとの国境に近づき、植物分布が明らかに変わってきました。ブーゲンビリアやカンナ、そしてサボテンなど南国風の植物が増えていきます。
プライベートビーチに向かう通路は両脇にびっちりと植栽されていて、あれこれと眺めていたら、全然ビーチに辿り着けませんでしたけど…。


次回へ、つづく。

建物の壁面を覆うのはブーゲンビレア。ビビッドな花色に目を奪われるが、建物や風景ともよく似合い引き立っている
建物の壁面を覆うのはブーゲンビレア。ビビッドな花色に目を奪われるが、建物や風景ともよく似合い引き立っている
 プライベートビーチへと向かう通路。カンナ、ブーゲンビレア、キョウチクトウ、アガパンサス、ハチクなど、北国では考えられない組み合わせが素敵で…
 プライベートビーチへと向かう通路。カンナ、ブーゲンビレア、キョウチクトウ、アガパンサス、ハチクなど、北国では考えられない組み合わせが素敵で…

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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