第14回

今週の花(10月5日) クレマチス 仙人草(センニンソウ)

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。

撮影:走川 正裕 文:走川 貴美

クレマチス 仙人草(センニンソウ)
クレマチス 仙人草(センニンソウ)

仙人草(センニンソウ)は、日本や中国に自生する原種のクレマチスで、種(タネ)の形が仙人の鬚(ヒゲ)を連想させることから名付けられたそうです。

私はかぶれたことはありませんが、茎や葉から出る汁に触れるとかぶれることがあるそうです。毒性を持っており、動物も食べないから野生では繁茂しているのでしょう。

 

2006年9月末にアメリカ・バーモント州にあるターシャ・テューダーのお庭を訪ねました。
その時、ターシャの自宅の玄関口にこの花が咲いていて、よい香りもして、とても印象的でした。その後ろ側には鳥小屋があり、鳥が忙しなく走り回っていました。9月なのに朝霜が降りて、足元が冷たかったのを覚えています。札幌より寒いところでした。この頃すでにターシャは外に出ることもなく、家からはお豆のスープらしい匂いが流れてきていました。

 

ありがたいことに、セスさん(ターシャの息子さん)やウィンズローさん(セスさんの息子さん)が庭を案内してくれました。ターシャの森と言われるほど敷地はかなり広いのですが、庭にしているところは見渡せるくらいの場所でした。……秋だったので、あの夢のような花の空間は見られず残念でしたが、紅葉も進んで落ち着いた佇まいでした。
それから1年半ほどでターシャは亡くなりました。撮影禁止なので写真がないのが残念です。

我が家では、奥の庭に設けたパーゴラに、仙人草が覆うようにして小さな白花を咲かせている
我が家では、奥の庭に設けたパーゴラに、仙人草が覆うようにして小さな白花を咲かせている

帰国してすぐに、現在の住まいを購入し、庭にパーゴラを建ててその脇に仙人草を植えました。今ではパーゴラを覆って、秋に白い花をたくさん咲かせてくれます。そばを通ると、よい香りに癒されます。花後も白いヒゲ状の種がふわふわときれいです。

オベリスクに誘引している仙人草。秋に刈り込むと、つるがほどよく伸長して花を付ける
オベリスクに誘引している仙人草。秋に刈り込むと、つるがほどよく伸長して花を付ける

もう一か所、家の角に、オベリスクに絡ませて植えてあります。こちらは秋に根元まで刈り込みます。そうするとあまり大きくならず、オベリスクだけて咲いてくれます。

 

この花を見るたびに、ターシャ・テューダーの庭(森)の風景や、そこでの暮らしぶりを思い出しますね。

がく片4枚の白い花。シンプルな姿の花は、小輪多花性で無数に開花する
がく片4枚の白い花。シンプルな姿の花は、小輪多花性で無数に開花する

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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