【動画あり】With the Herb ~<前編>ハーブと魚介の“香り”をとじ込める パスタ&リゾット
niwacul編集部
前回に続き、“南フランス紀行”<No.2>をお届け。現地の素敵な植栽やハーブについてなど紹介します。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう…日々の出来事を、ハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
プロヴァンス地方では遺跡にも立ち寄りました。
石と石の隙間から育つハーブたち、ローズマリーやタイムなど、極度に乾燥して暑い中、よくここまで成長しているな~と感心することが多くありました。
精油を蓄えて木質化しているものや多肉質なものが多く、葉を指で擦って香りを嗅いでみましたが、予想よりも香りが薄い。きっと精油成分を揮発させて、乾燥から身を守っているのでしょうね。
私にとっては遺跡もさるこながら、足元のワイルドに育つハーブも気になって、うつ向き加減で歩いていました。
遺跡の麓(ふもと)にはお土産屋さんが建ち並んでいて、アイアンの飾りが玄関ドアにディスプレイされているお店がありました。一つ一つが結構な重さとサイズ感。お庭や外壁に設置すると、よいフォーカルポイントになりそうですね。
カフェと路地の境界に並べられた大型の長方形のコンテナは、樹木を植えて、足元に丸い大きな石とバーベナの植栽がされていました。石をこんな風に使うのも面白いですね。
南フランスでは石灰質のベージュやオレンジ系の石材が建物や路地などに多く使われており、コンテナの中の丸いグレーの石がとても新鮮に感じました。
窓の下に、赤いペチニュアを植え込んだバスケットが置かれた空間を見つけ、まるで一つの作品のような演出――。バスケットにはほかにアイビーゼラニウムやチェリーセージが寄せ植えられていてました。
赤いペチニュア…、私はお庭ではなかなか植える機会がありませんが、アクセントとしてバスケット植えにして玄関先に置いてみようかな、と思えた風景でした。
赤い花といえば、プールに向かう階段脇に、チェリーセージをまとめて植栽しているホテルがありました。私たちが普段庭に植える時は、こんな風にボーダーにして使うことはあまりないかと思いますが、同じハーブでも植栽の面積や見せ方によってずいぶん印象が変わるものだと、ここでもプールに辿り着くまで植物見たさに寄り道時間が長くなりました。
南フランスでは、ジュニパーがシンボルツリーとしてたくさん植栽されていて、背丈が10mを超えるものが多く見応えがありました。お庭の面積が広いから可能なのでしょうが、ジュニパーの実をリキュールなどに漬けて、香りを移して楽しむフランスのお酒があるので、やはり歴史が古いのでしょうね。
また、お庭の中にはいくつも、くつろぐことができるテーブルとチェアが置いてありました。夕方に本を読もうと座ったら、座面もテーブルも熱くて無理でしたが…。翌朝5時頃に再チャレンジ。涼しい風が通り抜け、短い時間ではありましたがボーっと過ごすことができました。
余談ですが、お土産屋さんで気になったものがナイロン製のテーブルクロス。日本ではあまり見かけない柄が多く、どれにしようか悩んでいるうちに時間切れ。よくよく考えたら、全種類を買えばよかったのですよね。写真だけが残っても…と後悔しつつ、勉強になりました。
そういえば、街中を歩くとあちらこちらにフルーツを売っているショップがありました。暑い中での水分補給によいのか、フルーツを買って、道端でりんごをかじっている人たちをよく見かけました。
日本では飲み物で水分補給をする人は見かけても、りんごをかじっている人はほとんど見かけない。日本のりんごよりもずっと小さめで、歩きながらでも食べやすいのかもしれません。
南フランス紀行は、もう少し続きます。次回へ、つづく。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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