第7回

紅葉の時期に楽しむ、果樹の色づく葉やハーブの花を使った「押し花」や「押し葉」

今回は、果樹の色づく葉やハーブの花を使った「押し葉」「押し花」を紹介――。季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介しています。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

日に日に気温が下がり、紅葉が美しい季節になりましたね。今年は山ブドウが豊作のようです。そして山ブドウの赤く色づいた葉が、より一層の美しさを醸し出していることに気づき、何だか嬉しくなりました。


今回は、紅葉した果樹の葉やきれいな葉の植物、この時期も咲いている花などを活用した、「押し花」や「押し葉」などについてご紹介したいと思います。

今、我が家のポタジェでは、少しずつ冬に備えて片付けをしながらも、遅ればせながらタカノツメがきれいな赤色に。もう少ししたら収穫できそうです。

タカノツメは収穫してお料理に使ったり、装飾に利用することもできる
タカノツメは収穫してお料理に使ったり、装飾に利用することもできる

一方、春に植えたアリッサムやナスタチウムが、息を吹き返したように元気に咲いてくれています。そして、ブルーベリーの葉も赤く色づき始めました。

ブルーベリーの葉が色づきを増したら、「押し葉」にして楽しむ
ブルーベリーの葉が色づきを増したら、「押し葉」にして楽しむ

このブルーベリーの葉ですが、きれいな「押し葉」になるんですよ。

今の電話帳は昔に比べると随分と薄くなりましたが、捨てずにとっておいた電話帳に挟んで、季節ごとの植物を「押し花」や「押し葉」にして楽しんでいます。

ブルーベリーが紅葉して真っ赤な葉に。とても美しい色! キッチンペーパーの上に
葉を並べ、電話帳に挟んで重しに
ブルーベリーが紅葉して真っ赤な葉に。とても美しい色! キッチンペーパーの上に
葉を並べ、電話帳に挟んで重しに
できあがった「押し葉」を、ハガキサイズなどの用紙に模様を描くようにして貼り付ける
できあがった「押し葉」を、ハガキサイズなどの用紙に模様を描くようにして貼り付ける

今の季節は、シルバーリーフが美しいラムズイヤーや、可愛い形のナスタチウム(和名キンレンカ)の葉も「押し葉」に。葉に特徴のある植物を使うと、個性的な作品づくりを楽しめます。

ラムズイヤーのシルバー色の葉は、表面が毛で覆われている。
葉はやわらかで、名前の通り「羊の耳」のような手触り
ラムズイヤーのシルバー色の葉は、表面が毛で覆われている。
葉はやわらかで、名前の通り「羊の耳」のような手触り
シルバーリーフの優しげな雰囲気が魅力。葉の質感や形、葉の厚さを生かしてデザインしてみよう
シルバーリーフの優しげな雰囲気が魅力。葉の質感や形、葉の厚さを生かしてデザインしてみよう

ハスの葉のようにきれいなナスタチウムの葉は、大小のサイズの異なる葉を「押し葉」にしておくと、ハガキやフレームアレンジにするときにナチュラルな雰囲気に仕上がります。

涼しくなって元気が戻ったナスタチウム。丸く可愛い葉を「押し葉」に利用
涼しくなって元気が戻ったナスタチウム。丸く可愛い葉を「押し葉」に利用
大小の葉を、模様を描くように並べて。不揃いの葉が、ナチュラルな雰囲気の作品に
大小の葉を、模様を描くように並べて。不揃いの葉が、ナチュラルな雰囲気の作品に

今もきれいに咲く花を利用して「押し花」に。彩りとして添えて、アレンジを楽しめます。「押し花」にする際は、花の向きや開き具合も考慮するとよいでしょう。

花はオレンジェムやビオラなど。葉の形や大きさ、花の色など組み合わせを楽しみ
ながらアレンジを
花はオレンジェムやビオラなど。葉の形や大きさ、花の色など組み合わせを楽しみ
ながらアレンジを
カードにしてプレゼントしたり、フレームに入れて飾るのも素敵なのでおすすめ
カードにしてプレゼントしたり、フレームに入れて飾るのも素敵なのでおすすめ

一昨年、中学生になる甥っ子と一緒に、ホップを「押し花」にしました。学校の宿題で植物の根や葉、茎、花などを採種するという課題が出たそうで、「ホップを植物標本風にするのはどう?」とアドバイスをしたところ、学校でとても好評だったそうです。…おばさん冥利に尽きるな、と嬉しくなりました。

ホップを「押し花」に。つるや実の部分を生かして模様をデザイン
ホップを「押し花」に。つるや実の部分を生かして模様をデザイン

話は変わりまして、皆さんは“秋の土用”をご存知でしょうか?
「土用の丑の日」はよく聞くと思いますが、土用は、春、夏、秋、冬、年4回あります。「土用」とは「土旺用事(どおうようじ)」の略で、季節の変わり目にあって、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間をいいます。

 

今年の「秋の土用」の期間は、10月20日~11月6日。秋土用の間日(まび)は、10月26日(未の日)、28日(酉の日)、30日(亥の日)。

 

土用とは、土を司る土公神(どくじん)という神様が土にいる期間なのだそうです。そのため、その期間は土いじりを避けた方がよいとされいます。ほかにも地鎮祭、増築、就職、転職、結婚、開業、開店、引っ越し、旅行なども避けた方がよいのだそう。ただし、間日(まび)と呼ばれる日は、神様が土にいないので土いじりをしてもよいとか。
反対に、土用の期間によいとされることは、掃除や衣替えだそうです。何となく、理にかなっているような気がしますね。

 

そろそろ、本格的に菜園の片付けをする季節になると思いますので、よろしければ参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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