第15回

今週の花(10月12日) シュウメイギク(秋明菊)

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。

撮影:走川 正裕 文:走川 貴美

シュウメイギク(秋明菊)と言いますが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間です。キブネギク(貴船菊)とも呼ばれたりします。中国から来た花なのに、英語ではJapanese anemone(キャパニーズ アネモネ)と言います。花の形状や花びら、花芯も丸々とした印象で、全体的に可愛らしい花の姿。我が家にはピンク色の一重のほかに、ピンクの八重と白花の一重があります。花後に付くタネも丸く愛らしいし、蕾(つぼみ)もよいのです。花芯を近くに寄って見ると、とてもきれい。このような花芯を持つものはなかなかないですね。外国でも、人気があることにも頷けます。

優しいピンクの花色、シンプルな一重咲き。可愛らしい印象の花
優しいピンクの花色、シンプルな一重咲き。可愛らしい印象の花
濃いピンク色の八重咲き。黄色い花芯との組み合わせが華やか
濃いピンク色の八重咲き。黄色い花芯との組み合わせが華やか
白花の一重咲き。白い花に、黄色の花芯がアクセントになっている
白花の一重咲き。白い花に、黄色の花芯がアクセントになっている

ピンク色のものはダスティミラー(シロタエギク)のシルバーリーフとよく合うし、白いものは斑入りのススキやグラス類と組み合わせています。濃いピンクの花色はそれだけを植栽すると色調が強い印象になるので、優しいピンクのシュウメイギクも混植しています。

ダスティミラ―とシュウメイギクの淡い色調がよい相性。優しげな雰囲気
ダスティミラ―とシュウメイギクの淡い色調がよい相性。優しげな雰囲気
白い斑入りのグラスと白花のシュウメイギクがコーナーを明るく演出。
グラスの間から花を覗かせて、互いを引き立て合う
白い斑入りのグラスと白花のシュウメイギクがコーナーを明るく演出。
グラスの間から花を覗かせて、互いを引き立て合う

ロンドンのガーデニングスクールでエディブルフラワーについて教わったキャシー・ブラウン先生は、日本がお気に入り。自宅の庭に「北斎ガーデン」というグラス類だけのコーナーをつくっていたほどです。富岳三十六景(ふがくさんじゅうろっけい・葛飾北斎による富士図版画集)の、神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)からインスピレーションを受けてつくったものでした。


以前ご自宅を訪ねた時、日本のエプロンということで割烹着(かっぽうぎ)と、富岳三十六景の漆塗り額縁をお土産に持って行きましたら、とても喜んでくれました。

最近、先生のお庭に「Japanese anemoneが咲いた」とインスタグラムで拝見し、懐かしく思い出しました。日本のテレビでも紹介されたことのある素敵なお庭を、ご主人と二人で手がけています。先生の庭づくりはまず精密な図面を起こし、防草シートを敷き、植え穴をカットして、そこに植物を配置していきます。植生を詳しく知らないとできない技です。なぜそうするかというと、草取りをできるだけ少なくするため。コォッツウォルズのマナーハウスを購入して一からつくったガーデンで、ものすごく広いからです。

 

夕食後、ご主人と二人でガーデンの一番奥のエリアに行き、「隣の牧草畑を見ながら、ワイングラスを傾けるのが一番の楽しみ」とキャシー先生。「どうして?」と聞くと、「自分の庭を見ていると、あれこれしたくなるから!」と笑っていたのを思い出します。…わかりますねぇ。


今の状況が落ち着き、自由に海外へも旅ができるようになったら、イギリスへ行ってガーデン巡りをして、キャシー先生のお庭にも立ち寄って、どんなふうに変化しているのか見てみたいな~という思いが膨らみますね。

我が家の庭のあちらこちらで咲くシュウメイギク。木陰では大株に育って群植のように。木漏れ日を受けるピンクの花が美しい
我が家の庭のあちらこちらで咲くシュウメイギク。木陰では大株に育って群植のように。木漏れ日を受けるピンクの花が美しい
玄関先では、日差しの下で華やかに咲く。お客さまを出迎える素敵な演出に
玄関先では、日差しの下で華やかに咲く。お客さまを出迎える素敵な演出に

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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