第16回

今週の花(10月18日) ススキ

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。

撮影:走川 正裕 文:走川 貴美

タカノハススキ
タカノハススキ

ススキはイネ科の植物、昔は屋根を葺いたりするのに使われた有用植物でした。秋の七草の一つです。我が家では、お月見の時期にはまだ穂が上がっていないので葉だけ使って、ほかの花と合わせて飾っています。

10月に入ってようやく穂を上げた。写真のイトススキは、穂に赤みを帯びる
10月に入ってようやく穂を上げた。写真のイトススキは、穂に赤みを帯びる

タカノハススキ、イトススキ、シマススキなどを庭のあちらこちらに植えています。大株になって欲しいところは、そのまま植えっぱなしで育てます。草丈は、小さいものでも1.5mくらいになります。大きなものですと軽く2mは超えるので、6月頃に半分くらいにカットを。そうすることで低く抑えられます。カットする時期が遅いと穂が出なくなりますので、作業のタイミングには気をつけています。また、穂が開いてきたら刈り取って、ススキのフクロウの装飾を作ったり、たくさん集めてリースを作ったりします。

手前はイトススキ。左奥はシマススキで、ライン状に入る白斑と白っぽい穂がきれい
手前はイトススキ。左奥はシマススキで、ライン状に入る白斑と白っぽい穂がきれい
種類によって穂の色み・形状なども異なる
種類によって穂の色み・形状なども異なる

イネ科のアレルギーがある人は、ほうけ(草姿や穂がけば立って乱れる)ないうちに刈り取った方がよいと思います。刈り取る際は、茎の部分を数カ所束ねておき、根元から刈るようにすると片付けもラクです。

株が大きくなりすぎた場合には株分けも行なうのですが、これがまた一苦労。株の周りをスコップで掘り、ノコギリでカットしたり、剣先スコップで大胆にカットしたり…。力のない私には無理ですので、いつも誰かにやってもらっています。

写真はキューガーデン。さまざまなグラスの植栽でデザインされたエリア。
グラスとは、一般的にイネ科やカヤツリグサ科に属する草の総称
写真はキューガーデン。さまざまなグラスの植栽でデザインされたエリア。
グラスとは、一般的にイネ科やカヤツリグサ科に属する草の総称

上の写真はキューガーデン(イギリス・ロンドン)の中にある、グラスばかりを植栽したベッド(花壇)です。ガーデンめぐりの旅をそしてずーっと庭を見て回り、この場所にたどり着いた時、芝生に寝転んでゆっくりしたい!と思いました。そんな、ほっとする空間でした。

 

また、前回話の中に登場したキャシー先生の「北斎ガーデン」も、私の大好きな空間。グラスの植栽で表現したガーデンです。広々としたエリアに、波のように風にそよぐグラスの風景が美しくてうっとりします。何度訪ねても魅力されてしまいます。

北斎ガーデンと名付けたエリア。日本好きのキャシー・ブラウン先生が、富岳三十六景の神奈川沖浪裏からインスピレーションを受けてつくったもの
北斎ガーデンと名付けたエリア。日本好きのキャシー・ブラウン先生が、富岳三十六景の神奈川沖浪裏からインスピレーションを受けてつくったもの

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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