
今週の花(1月25日)ホスタ~花紀行
走川 貴美
エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。
撮影:走川 正裕 文:走川 貴美
春の花壇を想像しながら、秋植え球根(春咲きの球根)を植える作業をしているところです。春一番に、にょきにょきとチューリップや水仙(スイセン)、ムスカリなどが芽を出してくれます。それを見ると、春が来たー!と実感します。
球根類はきれいに咲いているうちはいいのですが、その後は球根を太らせるために、枯れた葉をずっと残しておく必要がります。見栄えのよいものではないため、その対策として、周りにパンジーやビオラを植えています。それだけでは、今度はパンジーやビオラの花後が寂しくなるので、その頃に葉を広げてくれるアルケミラ・モリスやホスタなどを一緒に合わせています。いい感じに、球根の枯れた葉やビオラの花後の株を隠してくれたり、空いたスペースを目立たなくしてくれます。
パンジーやビオラも秋に植えた方が長く楽しめます。春にもまたこれらの苗をあちらこちらに植えますが、夏までに花が終わってしまうのです。
水仙の黄色とムスカリのブルーの花色はお互いに引き立て合って、美しいハーモニーです。そこに斑入りのホスタなどが葉を開き、アルケミラ・モリスの丸く可愛い葉が広がって、黄緑色の花を付け始めます。このようにすると、球根花の枯れた葉を目立たなくしてくれ、なおかつ花も見られる植栽に。
子供の頃、自分の花壇にチューリップを一列に縦に長く並べ、花が終わった後の寂しくなった茶色い葉を恨めしく見てたのを思い出します。父が「葉っぱが枯れるまで、そのままにしておきなさい」と言っていたからです。…その時の悩みが解決したのは、相当後になってからです。
来年の春に向けて、先日、コンテナ(鉢)にも球根とビオラ苗を組み合わせて植えました。下方にチューリップとムスカリの球根を植え、その上に2層にするような感じでビオラの苗を植え付け。ガーデニングでは、この方法を「ダブルデッカー」と言います。
コンテナはそのまま雪の下にして、春の芽出しを待ちます。好きなところにコンテナごと移動できるのも便利です。ただ、大きなコンテナを選ぶと、結構重いのが難点ですが…。
今年の春は玄関先に置いて、ベランダから眺めたて楽しみました。最後はビオラの苗を抜くのですが、しばらく苗をそのまましておくと、こぼれダネからビオラの芽が出てきます。それを育苗トレーに移して育て、庭のあちらこちらに植えています。サステイナブルな管理ですね(笑)。こぼれダネから育てると花色が分からないので、どこで、どんな花のビオラが咲くのか、そんな楽しみもあります。
球根のポット植えも作りました。春になって、花色が足りなくて「寂しい」と感じる場所に置いて、植栽を補うためのものです。花後はバックヤードにそのままにしておき、秋になったら植え替えをして、肥料と土を足して次の年に備えます。地植えするスペースが少ないお庭にも、重宝する方法だと思います。花色別にポット植えを作り、あれこれと組み替えて配置してみるのもいいですね。
私は、ピンク色のチューリップにブルーの勿忘草(ワスレナグサ)の組み合わせが好きなので、春(お彼岸の頃)に勿忘草やネモフィラのタネを撒(ま)いて育てます。外はまだ雪があるため、家の中でタネまきをして日当たりのよい窓辺に置き、緑の芽が出てくるのをワクワクして待ちます。水やりに精を出すのも、楽しみの一つとなっています。
この記事を書いた人
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。
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