今週の花(12月7日) ジギタリス~イギリス花紀行
走川 貴美
今回の“南フランス紀行”<vol.4>では、現地で見た、素敵な演出やユニークなシーンをご紹介。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう…日々の出来事を、ハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
前回までの、真夏の「南フランス紀行」は〝植物が身近にある暮らし″を、見て、感じたことをつづってきました。今回は訪ねた先々で、いいな!と思った演出や、印象に残るユニークなシーンなどをご紹介したいと思います。
プロヴァンス地方で宿泊したお部屋に、ラベンダーのウェルカムブーケがさりげなく置かれていました。お客さまへのおもてなしは、華やかなアレンジメントだけではないのですね。バスルームに置いて、ラベンダーの香りに包まれてお風呂に浸かるのは、とても癒されました。香りの効果を、旅先で改めて実感。
また、別の宿泊先のディナーでは、可愛らしいデザート皿が出てきました。ラベンダーが香るはちみつソースの下には蜂(ハチ)が描かれ、飴細工やクッキーでできた立体的なお家の飾り付けが、食後のひとときを楽しいものにしてくれました。
サントロペの宿泊先では、ガーデンのプールサイドに1mくらいの高さのランタンがいくつか置いてあり、夜になるとキャンドルが灯りました。昼間は存在感のあるオブジェとして、夜には空間を穏やかな光で照らす演出アイテムに。
プールを取り囲む傾斜地にはガーデンがつくられていて、その一角に、大株のアイビーゼラニウムが満開の花を咲かせていました。北海道では外での越冬は難しい花。室内に取り込むにしても刈り込んでしまうため、なかなかここまで大株にはできないかもしれません。とても見応えがありました。葉や茎など肉厚な植物なので、高温や乾燥にもびくともしない感じでした。
また、パリでは百貨店のフード売り場を覗いてきました。ディスプレイの素敵さに、目が離せません。こんな風にスーパーで並んでいたら、眺めているだけでもなかなか離れられないかもしれませんね。
さまざまなトマトが並ぶ野菜売り場に、牛の脳みそ、という意味の名前がついていたものもありました。たしかに、言われてみれば…、ネーミングもユニークです。
パリに到着する前の雲の下には広々とした農地が、パズルのように見えていました。
フランスは、食料自給率が高いことでも知られています。ディスプレイに見た農産物のみずみずさや香り、カラフルでユニークな見た目など、とにかく種類が豊富。自国の食料が豊富であることを、感じさせますね。
取り留めなく、さまざまなシーンをご紹介しましたが、フランスでは原産地ならではの野生のハーブに遭遇し、予想以上の学びやときめきを体験することができました。
今後、コロナ禍が落ち着いて、先の予定が立てられるようになったら行動範囲も広がります。海外のガーデンや北海道以外の国内のガーデンにも行きたいですね。そして、その国や地域の植物にまつわる文化に触れることができたら、と願っています。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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