第9回

ポタジェで育てる冬野菜と活用レシピ

ポタジェで育てる冬野菜と、漬け物などの活用レシピ(メニュー)を紹介――。季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ピタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

スーパーの店先には、大きな袋に入ったダイコンや白菜(ハクサイ)などが並び始めました。それらを利用して、漬け物づくりに大忙しという人も多いことでしょう。今回は、いろいろな品種を少しずつ育てている「ポタジェ」ならではの〝冬野菜″について、ご紹介します。

 

限られたスペースで冬野菜を育てるのは、場所の確保が難しい…と考える方もいらっしゃると思います。
少量多品種を育てるポタジェでは、トマトやキュウリなどの夏野菜は極力本数を少なめに植えるようにしています。また、春一番に植えるサヤエンドウやジャガイモも早めに収穫するようにし、2回目の野菜を植える「輪作(りんさく)」という手法を行なっています。
冬野菜は、生育期間が90日以上かかるものが多いため、タイミングを逃さないようにスケジュールを立てることが大切。漬け物に欠かせない鷹の爪(タカノツメ)も今のうちに乾燥させ、準備中です。

ポタジェで育った鷹の爪(タカノツメ)。前もって乾燥させ、漬け物の仕込みの際に使用。束ねて逆さに吊しておく
ポタジェで育った鷹の爪(タカノツメ)。前もって乾燥させ、漬け物の仕込みの際に使用。束ねて逆さに吊しておく

冬野菜は、寒さに当たると甘みが増すと言われているので、できる限り遅く、初雪が降る頃に収穫しています。今年の秋は比較的暖かいこともあり、例年に比べてどの野菜も大きく育ってくれました。

冬野菜 ~素材の味わいを楽しもう

(1)聖護院カブ 
滑らかな食感がたまらない、京都のお漬物「千枚漬け」。これに使われているのが「聖護院カブ」です。ポタジェを始めた20年ほど前から毎年育てていますが、聖護院カブはスーパーや道の駅などでも見かけることがなく、あるのは聖護院大根ばかり…。そんなきっかけで育て始めました。漬け物は素材の味がストレートに出るので、美味しくできた時の喜びはひとしおです。

聖護院カブ。葉っぱを大きく茂らせた、きれいな白いカブに育つ
聖護院カブ。葉っぱを大きく茂らせた、きれいな白いカブに育つ
聖護院カブを使った「千枚漬け」。滑らかな食感が魅力。鷹の爪がピリッと味のアクセントに
聖護院カブを使った「千枚漬け」。滑らかな食感が魅力。鷹の爪がピリッと味のアクセントに

(2)大野紅カブ
道南の大野町(現在は北斗市)で、江戸時代から栽培されてきた伝統野菜「大野紅カブ」。肉質が緻密でシッカリした歯ごたえがあり、お好きな方も多いですね。大野紅カブは、外側の皮が赤いのが特徴なので、皮を剥(む)かずに漬け物にします。甘酢に漬けると中がほんのりピンク色になり、何となくおめでたい気持ちになるのは私だけでしょうか。

大野紅カブ。外側の皮と茎の部分も赤いのが特徴。土を落とすとより鮮やかな色
大野紅カブ。外側の皮と茎の部分も赤いのが特徴。土を落とすとより鮮やかな色
甘酢に漬けると、中もほんのりピンク色のきれいな漬け物に
甘酢に漬けると、中もほんのりピンク色のきれいな漬け物に

(3)青首大根
今年は一般的な「青首大根」を30本ほど育てました。以前は、練馬大根や亀戸大根など固定種の伝統野菜を育てていましたが、固定種の野菜は、品種改良された野菜に比べ栽培期間が長くかかるため、現在は育てやすい品種をセレクトするようになりました。べったら漬けやニシン漬け、おでんや煮物、サラダなど用途が広くてとても重宝。葉を根元から落とし、1本ずつ新聞紙に包んで、涼しい場所に立てて置いておくと日持ちします。昨年は、翌年の2月頃までおいしくいただきました。

一般的に多く育てられる、青首大根。生育期間は60~80日
一般的に多く育てられる、青首大根。生育期間は60~80日

(4)大根 紅くるり
中まで赤い大根「紅くるり」。長さは短くて小ぶり。シャキシャキとした食感が特徴で、サラダに向く品種です。歯ごたえがしっかりとしていて、漬け物にしてもおいしく、お気に入りの品種。最近は、道の駅などでも見かけるようになりました。

大根「紅くるり」は、中まで赤くてきれい。サラダや漬け物にしていただく
大根「紅くるり」は、中まで赤くてきれい。サラダや漬け物にしていただく
紅くるりを刻んで、ミズナと一緒に和えて大根サラダに。彩りもよい
紅くるりを刻んで、ミズナと一緒に和えて大根サラダに。彩りもよい

(5)白菜(ハクサイ)
漬け物やお鍋に活躍する白菜(ハクサイ)。ダイコンと同じく、翌年2月まで食べることができ重宝したので、今年は昨年よりも多く15玉ほど育てました。夏真っ盛りの7月中旬にタネを播き、8月初旬に苗を定植。暑い中で育つだろうか…と心配しましたが、例年よりもサイズも大きく、申し分ないできになりました。

冬野菜の一つ「白菜(ハクサイ)」。大玉サイズに育ち、これからの季節はお鍋や漬け物に大活躍
冬野菜の一つ「白菜(ハクサイ)」。大玉サイズに育ち、これからの季節はお鍋や漬け物に大活躍

(6)ブロッコリー
アブラナ科のブロッコリーは、驚くほど虫がつきやすい野菜。ポタジェでは農薬などを使わないで育てているので、虫が侵入しないように、白菜と一緒に不織布をかけて育てています。不織布の上から「大きくなったかな…」「虫に食べられていないかな…」と、子供の成長をそっと見守るような気持ちでした。ブロッコリーの旬は冬。寒さとともに甘みが増してきます。温かいシチューやグラタンに入った鮮やかな緑色のブロッコリーは元気をくれますね。

ブロッコリーは、冬が旬の野菜。サラダはもちろん、シチューやグラタンなどの温かなメニューにも!
ブロッコリーは、冬が旬の野菜。サラダはもちろん、シチューやグラタンなどの温かなメニューにも!

これらの冬野菜は、真夏の暑いときに苗づくりや土壌の準備をします。こうして育ててみていつも思うのは、店頭に当たり前のように並ぶ野菜ですが、たくさんの手間がかかっているということ。でも、手をかけた分だけ育ったときの喜びがあったり、新鮮なおいしさに感動したりします。
例えば、自分が好きな品種にこだわって育ててみると、新しい発見やポタジェの楽しみもより広がりそうですね。また、ダイコンやカブ、白菜などの残ったタネは、冷蔵庫に入れておくと数年は持つのでお試しください。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ピタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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