第11回

自宅の工房で、さまざまな雰囲気のリース作り

今回は、冬のイベント“クリスマス”に向けた、手作りリースについてです。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう…日々の出来事を、ハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

庭の冬じたくが済み、11月に入ってからは自宅の工房で、日々リースやスワッグを作っています。店舗用や個人宅用オーダーのさまざまなサイズを作るのですが、クリスマスの装飾にはもちろん、その後も長く飾っておきたいというご希望が多いです。1カ月くらい飾って、片付けてしまうのはさみしいですよね。

窓からたくさんの日差しが入る、明るく暖かな空間を工房として使っている
窓からたくさんの日差しが入る、明るく暖かな空間を工房として使っている

私のリースの作り方は、ヒバの枝葉を7本程度束ねて一つのパーツを作り、そのパーツをいくつも用意して、リースの土台に針金でくくりつけていきます。土台は、ブドウの蔓(つる)などをリース状に模ったものです。
枝葉を銅線(ワイヤー)で直接くくりつけながら巻いていく作り方もありますので、自分の作りやすい方法を選ぶとよいかと思います。

 

ヒバがメインのリースでも、ドライの花材やリボンのチョイス次第でオールシーズン飾っておくことができるので、「季節もの」ではなくなりつつあるのかもしれませんね。

ヒバの枝葉を束ねたものをいくつも用意し、枝葉の向きを揃えて一方向に、土台に取りつけていく
ヒバの枝葉を束ねたものをいくつも用意し、枝葉の向きを揃えて一方向に、土台に取りつけていく
枝葉の向きもきれいな、丸いリースに。これにドライの花材などの装飾を施していく
枝葉の向きもきれいな、丸いリースに。これにドライの花材などの装飾を施していく

私が作るリースは、もりもりのボリューム感のある、できるだけ立体的に仕上げるのがマイルール。というより、作っているうちにそうなってしまう…という方が正しいかもしれません(笑)。
可能な限り自然素材を使い、ホールスパイスなども多用して香りも楽しめるようにしています。オーダーをいただいた方の好みの色合いや飾る場所などをお聞きし、バランスを考えながら作っています。
お庭で育てた植物を使えるようでしたら、上手にデザインに取り入れると、作るときの楽しみも増えますよ。

色とりどりのドライの花材を飾り付けたリース。星形のスターアニス(ドライの実)を散りばめて香りも楽しむ
色とりどりのドライの花材を飾り付けたリース。星形のスターアニス(ドライの実)を散りばめて香りも楽しむ

貝殻草(カイガラソウ、カイガラザイク)は咲いている時からドライフラワーのような質感が特徴ですが、ジニアもしっかり乾燥させると花材として利用できます。ガーデンで咲いていたときを思い出せるよう、お花畑のようなリースを作ってみました。
また、シロタエギクはリースの花材としても利用でき、冬シーズンのカラーにもよく似合います。シロタエギクをベースにしたリースは、シルバーの葉色がやわらかで、シックなモードに。

ヒバのリースに、花材の愛らしい彩りと、白い綿(ワタ)がやわらかなアクセントに。スパイス系のシナモンやドライオレンジが香る
ヒバのリースに、花材の愛らしい彩りと、白い綿(ワタ)がやわらかなアクセントに。スパイス系のシナモンやドライオレンジが香る
シロタエギクがベースのリース。シルバーリーフの上に花色を散りばめて、大人可愛い雰囲気
シロタエギクがベースのリース。シルバーリーフの上に花色を散りばめて、大人可愛い雰囲気

ローズヒップだけを使った、とても贅沢なリースも作りました。バラをたくさん育てている方に、ローズヒップが付いた枝を分けていただいき、ふんだんに使って仕上げたものです。たくさんの赤いヒップ(実)が華やかですね。

ローズヒップのリースが空間を豪華に装う。玄関先の装飾や、お部屋に飾っても素敵
ローズヒップのリースが空間を豪華に装う。玄関先の装飾や、お部屋に飾っても素敵

クリスマスシーズンに向けて、赤色系のオーダーが多いです。寒くなってきて、そろそろ雪も降る時期ですので、暖かみのある色が欲しくなるのかもしれませんね。

赤色系の花材を散りばめて。ボリュームのある、立体的なリースに仕上げていく
赤色系の花材を散りばめて。ボリュームのある、立体的なリースに仕上げていく

我が家では、毎年ダイニングに飾っているリースがあります。庭の斑入りのツルマサキを使ったリースです。ツルマサキは若干落葉しますが、十分にリースの花材として使えます。数年経つと白っぽくなり、でも寂れた感じではなく、風合いを増してよい雰囲気ですよ。

シロタエギクとツルマサキのリース。ツルマサキが入ることで、さわやかな雰囲気に
シロタエギクとツルマサキのリース。ツルマサキが入ることで、さわやかな雰囲気に
3年前に作ったツルマサキのリース、生成色になりこれもまた可愛いのでずっと飾っている
3年前に作ったツルマサキのリース、生成色になりこれもまた可愛いのでずっと飾っている

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

herbarist・ハーブ研究家。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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